ソフトバンク・王貞治球団会長(80)が3日、〝小久保流〟人材育成に大きな期待を寄せた。
この日、ヘッドコーチ就任会見を行った愛弟子・小久保裕紀氏(49)を「叩き上げて地位を築いた」と評した王会長。巨人在籍歴もあるだけに「2つの球団のやり方とか、セとパの野球というのも分かっている」と豊富な見識に裏打ちされた指導がプラスの化学反応をもたらすと確信している。
さらに「今の選手たちが進んでいく道は迷い道のような巨大迷路。すんなり行ける道はない。ぶつかったら、また戻って正しい道へ行けばいいんだけど、そういったことを通ってきた男」と話し「そういう意味で、すんなりいかない道にチャレンジする選手のいいアドバイザーになると思う。だから選手もいろいろ質問してほしいし、先輩として『自分はこう思うよ』と適切なアドバイスをしてほしい」と道先案内役を託した。
現役時代は、決して大柄ではない体格から卓越した技術で通算413本のアーチを架けた小久保ヘッド。球団として右の和製大砲育成は喫緊の課題の一つだ。「長打力がある人というのは魅力があるわけだから、彼もそういう立場でずっとやってきた。『もうちょっとこうやったらもっとよくなるよ』というようなものはね。ウチの選手たちのことは他の人よりも詳しいと思うから」と、技術の伝承や思考の助言にも期待を寄せていた。