日本ハムの杉谷拳士内野手が30日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で会見を開き、今季取得した海外FA権を行使せず残留することを明らかにした。なお来季は1年契約で、年俸は3500万円(金額は推定)。

 球団から報道各社に届いたのは「杉谷拳士選手の海外FA権についての会見」。権利を行使しないことを表明するために会見を開くことは異例であり、関係者の間では「まさか…」の憶測も飛んだ。

 会見には大勢の報道陣が集結。そこで杉谷は「今日は僕のためだけに、お集まりいただき、誠にありがとうございます。杉谷拳士、海外FA権は、行使……しま……せんでした!」と権利行使を否定。予定調和な流れに報道陣からは笑い声が上がったが、その後も〝杉谷節〟は絶好調だった。

 会見前にはグラウンドで練習を行っていたが「なぜか分からないですけど、みんな僕がどこか(他球団)に行くものだと思って、後輩たちも顔を合わすたびに『ありがとうございました』と。何の話になっているんだとパニックになっていました」と、舞台裏のエピソードを告白した。

 チームメートからは移籍前提であいさつを交わされたというムードメーカーだが、心はファイターズひと筋だ。「この先、僕自身もファイターズのユニホームを着て、体力が続く限りやらせていただきたいという話はさせてもらったので。(球団からも)『体力が続く限りはやってくれ』と。そしてまた北海道という土地をすごく好きですし、そういった経緯で、ファイターズでやりたいなと思いました」と、事実上の〝生涯ファイターズ〟を宣言した。

 チームきっての盛り上げ隊長。来季も持ち前の明るさでナインを鼓舞してくれるはずだ。