〝断捨離〟巨人に必要なのは育成力 V3へのキーマンは二軍の鬼軍曹

2020年11月30日 05時15分

阿部慎之助二軍監督

 巨人が大規模な戦力整備を断行中だ。すでに20選手に対して戦力外が通告され、山本泰寛内野手(27)も金銭トレードで阪神に移籍する方針が固まった。もはや断捨離状態で、引退や育成落ちなども含めれば少なくとも27選手が入れ替わる。同時に大量の新戦力も加わるが、今後問われるのは「育成力」。V3への最重要キーマンは、あの鬼軍曹だ。

 リーグ連覇を果たしながら、日本シリーズでは2年連続で惨敗。フロントが大幅な血の入れ替えを予告していた通り、厳しい現実が突きつけられている。

 今季限りで現役引退した岩隈のほか、戦力外となったのは支配下8人と育成12人。来季から支配下登録を外れるドラ1新人右腕・堀田ら5人は育成再契約が見込まれている。そして29日までに山本のトレード移籍も判明し、ここまでで支配下は15人減。助っ人勢では右ヒザ痛の治療のため、10月に帰国した〝サメ男〟パーラがそのまま退団となる見込みで、一時的に支配下選手は69人から53人までスリム化される。

 ポスティングシステムによるメジャー移籍の可能性があるエース菅野や今季途中加入のウィーラーらの去就は不透明ながら、新たな顔ぶれではドラフトで指名した7選手が加わる。球団はFA戦士や新外国人選手の調査を継続しており、来季開幕時は63~64人程度となる見込み。となれば、支配下登録できる上限の70人まで開きが生まれ、育成選手たちにとっては昇格チャンスがいっそう広がる。

 そこで浮上するのが「新たに獲った選手たちをファーム首脳陣がどこまで育成できるか」(球界関係者)という課題だ。その鍵を握るのが阿部慎之助二軍監督(41)となる。

 球団は今季を「発掘と育成の元年」と位置づけ、伸びしろなどよりも試合を運営するための頭数として残していた選手にもメスを入れた。その結果、育成選手の戦力外は12人に上り、育成ドラフトで12人の大量指名につながった。過去最大級に血を入れ替えたまではいいが、未知数の人材ばかり。球団幹部は「3年後、4年後のドラフト1位を育成で獲得できたのかな」と語っていたが、巨人に求められるのは「常勝」だ。勝ちながら育てるという鉄則が変わることはない。

 スカウト会議にも出席していた阿部二軍監督は、育成選手についてはドラフト会場で12人を指名する現場に立ち会った。

「その指名の場にいて、獲った子を何とかしなくてはいけないとすごく責任を感じていますよ」

 2021年の巨人には大幅にフレッシュなメンバーが加わる。リーグ3連覇、そして日本一の座を奪還するにはさらなる戦力の底上げが欠かせない。就任1年目の今季は松原ら多くの若手を一軍に送り込んだ阿部二軍監督。指導者として迎える2年目の進化が注目される。