王者・ソフトバンクが歓喜の日本一から一夜明けた26日にさっそくV5へ向けて始動した。工藤監督はペイペイドームで首脳陣とミーティング。選手個別に出すオフの課題を作成するためのもので「(選手には)ゆっくりさせてあげたいと思いながらも、来年に向けた課題も作っていかないといけない。シビアな自分と休ませてあげたい自分が交ざった感じ」と複雑な心境を語った。

 フロントは来季に向けた組閣作業にも着手している。目玉はOBで侍ジャパン前監督・小久保裕紀氏(49)のヘッドコーチとしての招へいだ。現役時代に類いまれなキャプテンシーを発揮した王イズム継承者の一人でもあり、さらなる常勝への流れを作るつもりだ。

 そんな中で気になるのが、昨年12月に入団した城島健司会長付特別アドバイザー(44)が果たす「2年目の役割」について。関係者の話を総合すると、釣りファンに大人気のテレビ番組「城島健司のJ的な釣りテレビ」への出演を継続するなど〝釣り師〟としての活動は変わらない。

 一方で、より軸足を球界に傾けることが期待されている。「1年目と全く同じというわけにもいかないでしょう。より深く取り組んでもらうことになると思います」(球団フロント)。今季は新型コロナ禍で活動が限定的にならざるを得なかったが、それでも2月の米視察では元大リーガーとして存在感を発揮。8月の「プロ志望高校生合同練習会」での甲子園降臨も話題を呼んだ。選手の兄貴分としての仕事もさることながら、よりチーム編成部門に携わる形での活躍が望まれている。

 フロント業務への関心が強いともされるが、将来の監督候補でもある。釣り愛が絶大な城島氏とはいえ「戻ってきさえすれば、必ず野球人としての血が騒ぐはず」(球団関係者)として始まったプロジェクトは徐々に進行中だ。