王イズムが築いた〝常勝ホークス〟チーム内の競争が常態化

2020年11月26日 05時15分

柳田にV4指令を出した?王会長

 最後までセ王者の巨人を圧倒した。ソフトバンクは25日の日本シリーズ第4戦(ペイペイ)を4―1で巨人に勝利し4年連続日本一に輝いた。無敵時代の到来ともいえるポストシーズン16連勝、日本シリーズ12連勝。選手時代と合わせて歴代2位の16度の日本一となった「短期決戦の鬼」工藤監督の盤石なタクトに加え、長い月日をかけて選手時代にV9を成し遂げた王貞治会長のイズムが浸透した結果でもあった。

 球団関係者は「王会長は本当に喜びの持続性が短い。勝って喜んでも一瞬で、すぐ『次が始まっている』と切り替えていく」と舌を巻く。現在のV4チームに引き継がれているのが、この〝全員・王メンタル〟とも言える。

 王球団会長自身がこう頼もしげに話していたことがある。「うちのチームは(その1年に)勝っても、おごらずに『よし、やっていこう』となれるんだよね。僕自身も過ぎたことにはこだわらないタイプなんだけど。人間そういう流れになっちゃうと案外ね。流れを作ることには時間がかかったけど、こういう流れができてくると選手たちの気持ちも違うよね」

 1年結果を残しても、翌年の立場が保障されない環境がチームにはある。チーム内の競争が常態化。ファームには下克上を目指して切磋琢磨する空気が根付いている。この点も王会長が「ほかのチームに比べてファームの選手のやる気が違う。一軍の選手も下から突き上げられるから一服できない」と胸を張るところだ。チームに刷り込まれた一塁までの全力疾走や細かいプレーにおける凡事徹底は日本シリーズ中も光った。

 そんな伝統を引き継いでいくためにも、次世代に向けた常勝化への作業も進んでいる。今季は〝王チルドレン〟の城島健司氏が会長付特別アドバイザーとして球団入り。「この球団は王さんの考え方が根本にあると思っている。これを続けていかないといけない。10年、20年、30年と続けていけるような手助けができれば」と話している。

 決着後、王会長は「我々にはゴールがないんですよ。常に前へ前へ行くしかないんでね。次は2021年の戦いをどうするか」。そして工藤監督に全幅の信頼を置くとともにナインを「大人」と表現して「彼らなりに2021年に向けて取り組んでくれると思う」とうなずいた。