初回の攻防でハッキリした巨人とソフトバンクの〝つなぐ意識〟の差

2020年11月25日 23時04分

初回のチャンスの場面で空振り三振に倒れた中島

【加藤伸一 インハイアウトロー】初回の攻防に両軍の勝利に対する意識の差が表れていた。3連敗で後がない巨人は4番の岡本を除くすべての打順を変えて、1番・若林、2番・坂本の連続二塁打で今シリーズ初の先制点を奪った。きっとベンチも「さあ行くぞ」と盛り上がったはずだ。

 しかし、3番に入った丸は2球目を打ち上げて一邪飛。岡本もカウント1―2からの143キロ直球で空振り三振に仕留められた。5番ウィーラーは四球を選び、中島は並行カウントから9球連続のファウルで粘って食い下がったが、最後は14球目のスライダーにバットが空を切った。

 ここで引っかかったのは2点目を取りにいく姿勢だ。丸は第3戦の最終打席でノーヒットノーランを阻止する安打を放っていたが、試合前の段階で打率1割8分2厘。シリーズ全体の流れを変える意味でも2点目は重要であり、犠打や進塁打で岡本に託した方が得点につながる確率も上がったはずだ。この場面に限らず、巨人には今シリーズを通じて〝つなぐ意識〟が見られなかった。

 一方のソフトバンクは一死二塁から柳田に逆転2ランが飛び出した。これは〝たまたま〟ではない。ソフトバンクでは柳田だろうとグラシアルだろうと、このような場面では右方向に打って最低でも走者を進めるという意識が徹底されている。左打者である柳田の一発が右翼席へ飛び込んだのは、引っ張る意識があったからだ。

 ソフトバンクではサインが出ていなくても、選手が率先して送りバントを試みて、首脳陣が「送らなくていいから好きに打て」と、たしなめることさえある。そんな組織としての意識の差が、大きな差となって表れていたように思う。

(本紙評論家)