セパ格差もはや歴然! 巨人敗退なら「DH制導入論」加速か

2020年11月25日 05時15分

厳しい表情で戦況を見つめる原監督(右)と元木ヘッド。いよいよ追い込まれた

 早くも土俵際だ。巨人は24日の日本シリーズ第3戦(ペイペイ)でソフトバンクに0―4の完敗を喫し、3連敗で日本一に王手をかけられた。セ・リーグをぶっちぎった巨人でもなすすべなく2年連続でパ王者に圧倒される事態を受け、皮肉にも原辰徳監督(62)が提唱し続けてきたDH制の導入に向けた議論が本格化するとの観測が広がっている。 

 もはやお手上げ状態だ。9回二死から丸の中前打が出るまで無安打に封じられ、日本シリーズ史上2度目となる〝ノーヒットノーランリレー〟を阻止するのがやっと。左翼席の一角で「意地をみせろ」とのボードを掲げたG党からの〝喝〟もむなしく、四死球など6イニングで出塁しながら代打攻勢も継投策も不発に終わった。

 試合後の原監督は悔しさを押し殺しながら「明日に備えてゆっくり休んで、目が覚めたら覚醒しているということで。もう前に行くしかないわけだから。そういう気持ちでいきます」と切り替えを促した。

 もちろん、決着はついていない。奇跡の4連勝で逆転日本一へかすかな望みは残す。ただ、ここまでの3試合はソフトバンクとの力の差を如実に物語る展開となっている。ソフトバンク勢は大舞台でも物おじすることなく選手個々が実力を発揮し、全試合で主導権を握られた巨人サイドは終始防戦一方…。こうした事態に球界内からは「セパの力の差はもう歴然。今回の巨人の連敗で、いよいよセ・リーグ全体でDH制導入の議論が活発になるかもしれない」との声も上がり始めている。

 というのも、巨人はシーズン終盤こそもたついて2位・阪神に7・5ゲーム差をつけてのフィニッシュとなったが、コロナ禍でも首位を独走して2連覇を達成した。しかし、ライバル球団を横綱相撲で蹴散らした巨人をもってしても、パ王者にはまるで歯が立たず、2年連続で圧倒されている。このまま押し切られれば、セ球団は8年連続で日本一から遠ざかることになる。

 2005年から始まり、今季は開催が見送られた交流戦も、パの1098勝966敗60分け。19年まで10年連続でパが勝ち越し、通算成績でパ5位となるオリックスまでが勝率5割を超えている。このセパの格差を巡る要因はさまざまな指摘がなされてきたが、DH制もその一つとされてきた。

 原監督は数年前から導入論を声高に訴えてきたものの、セ球団の中には慎重論が根強く、まともに議論されることはなかった。しかし、これほどの長期間にわたって「パ高セ低」の構図を変えられなければ〝セの灯〟そのものが消えかねない。目の前に突きつけられた現実に対し、リーグ全体で向き合う必要があるのではないかというわけだ。

 開幕直前には全試合でDH制を採用することが決まった。パの土俵に巨人側が踏み込んだ形だが、繰り広げられるのはファンが目をそむけたくなるような惨状…。今シリーズの結果がセの今後を左右する転機となるかもしれない。