【日本S・第3戦】鷹ムーアの「二刀流」は幻も…圧巻7回ノーヒッターで余裕のバトンタッチ

2020年11月24日 22時01分

7回無安打無失点の圧巻投球を披露したムーア

 鷹が頂点へ王手だ! 日本シリーズ第3戦が24日、ペイペイドームに舞台を移して行われ、ソフトバンクが4―0で巨人を下し、開幕3連勝。4年連続日本一まであと1勝とした。

 先発のマット・ムーア投手(31)が常時150キロを超える直球を軸に組み立てチェンジアップ、ナックルカーブを低めに集めて7回ノーヒットノーラン。許した走者は四球で歩かせた2人だけという圧巻の投球を見せた。

 メジャー通算54勝。イニングを稼ぎ、勝利に貢献することを優先する考えが根本にある。球数は93球。余力はありながらも快記録に後ろ髪を引かれることなく、お役御免と淡々と交代を受け入れた。
 
 工藤監督から開幕前「ローテの軸」に指名された。6連戦の頭としての役回りを期待されたのは、絶対的な実力を見込んでのこと。

「打者の手元で強いボールを投げる投手。なかなか左であそこまで力のあるボールを投げる投手はいない」

 かねてムーアの話題になると、つい言葉に熱がこもるほどの信頼を示してきた。指揮官からすれば何ら驚きのないパフォーマンス。通算224勝の大投手をとりこにする左腕を相手に、初見の巨人が打ち崩すのは至難だったはずだ。

 いい投手は、打撃もいい――。球界のエース級の中には、野球センスの塊のような投手が多い。実はムーアもその一人。高校時代まで「二刀流」でチームの主軸を担ったという。「将来の可能性を考えた時に投手を選択したけど、両方できることなら両方やりたかった」。時代が時代ならエンゼルス・大谷の「二刀流の先輩」になっていたのだ。

 全試合「DH制」が決まる直前の練習日には、打撃練習でサク越えを披露。公式戦の打者デビューは幻となったが、投球だけでその力を存分に見せつけた。

 ムーアが流れをつくり、モイネロ―森と盤石の完封リレーで強さを誇示した常勝軍団。2年連続のスイープでの日本一に王手をかけた。