【日本S・第1戦】雪辱への決意は足かせ? 巨人・丸に短期決戦で求められる〝変わり身〟

2020年11月22日 05時15分

4回の同点機で併殺に終わった巨人・丸

 悪夢再び、とならなければいいが――。日本シリーズ第1戦は、必勝を期して臨んだ菅野智之投手(31)が6回4失点で無念の降板。打線も9回に1点を返すのがやっとで、1―5で初戦を落とした。絶対エースでの敗戦は痛いが、気がかりなのが昨年〝逆シリーズ男〟とも言われた、丸佳浩外野手(31)だ。汚名返上の決意で臨んでいるが、その意志の強さこそが〝諸刃の剣〟になる可能性もあるという。

 

 慣れ親しんだ東京ドームではないものの、ホームでの大事な初戦でまさかの黒星発進。菅野の投球内容もさることながら、走者を出しながらことごとく得点できなかった攻撃面も課題を残した。

 試合後、原辰徳監督(62)も「ランナーは良く出るけどね…。まあまあ、1点を取ったというところでスタートを切ったというところでしょう。いい材料もあるし、それをつなげていくということ」と前を向いたが、対策の見直しは急務だ。

 中でも〝らしくない〟内容だったのが5番・丸だ。9回こそ鷹の守護神・森の失投を右前に運んだものの、先発・千賀に沈黙した。特に2点ビハインドの4回、先頭の坂本、続く岡本が粘り強く四球を選んで無死一、二塁。丸に対しても2ボールとなったが3球目、難しいコースの外角低め直球に手を出し痛恨の遊ゴロ併殺打。絶好機を逃した。

 経験とデータをもとに球種、ゾーンを絞り込み、失投を高確率でしとめる打撃こそ、丸の真骨頂のはずだが…。やはり思い出してしまうのが、広島時代の一昨年、そして巨人での昨年と続く日本シリーズでの不振ぶりだ。

 特に昨年はソフトバンク相手に13打数1安打1打点と、主軸として機能できず〝逆シリーズ男〟の汚名を着せられた。もちろん、本人もその悔しさを忘れるはずがない。意を決してレギュラーシーズンを戦い、名誉挽回の舞台へと進んできたはずだった。

 しかし、その強い意志の持ちようは、レギュラーシーズンと戦い方が異なる日本シリーズではどう作用するかわからない。実は今季、丸が負傷の影響で開幕から打撃不振に陥っていた当時、見かねた元木ヘッドコーチがこんな声をかけたことがあったという。

「年齢によって何かを変えていくべき部分もあるよ、ということも言いました。(心身ともに)何かはやっぱり変化していっているんで。1年1年歳を取っていく中で何かを変えていかなきゃいけない時期っていうのは出てくると思うんで、そういう言い方もしました」

 こうした助言がありながらも、最終的に強い信念を貫いたことで復調した丸は終盤に本領を発揮。打率2割8分4厘、27本塁打と結果的にリーグ連覇の原動力となった。しかし、長いレギュラーシーズンと短期決戦では話が違ってくる。強い信念を持ちつつも〝変わり身の早さ〟が求められる。

 実は当の丸本人も重々承知で、昨オフも日本シリーズ不振の原因を「課題は実戦の中での対応力。想定したボールが来た時はいいけど、想定外のボールが来た時の対応」と原因を分析している。千賀には成す術がなかった丸だが、9回に放ったヒットが、第2戦以降にどういう変化をもたらすか。