大逆転で第20代キャプテンに就任か――。巨人の主砲・岡本和真内野手(24)が来季にも新主将になる可能性が浮上している。現主将の坂本勇人内野手(31)は日本一を達成すれば、その座を後輩選手に禅譲する方針。当初の大本命は小林誠司捕手(31)だったが、3年連続で30本塁打以上をマークするなど岡本が不動の4番となったことで後釜レースは急展開を見せている。

 昨年の日本シリーズで屈辱の4タテを食らった巨人にとって、最重要課題は日本一奪回だ。なかでも4番の重責を担う岡本は汚名返上に燃えている。昨年の頂上決戦では打率1割8分8厘(16打数3安打)、1本塁打、3打点と失速。チームを頂点に導けなかった。そんな悔しさもあり、開戦2日前の19日には「早く試合がしたいですね。試合が楽しみで仕方ないです」とアドレナリンを充満させていた。

 8年ぶりの栄冠奪取となれば、巨人内の勢力図も大きく変容する可能性がある。昨季終了後、坂本は主将退任を球団に申し出て、原監督から「日本一になってから」と慰留された経緯があるからだ。当時、坂本が本紙に明かしていた禅譲理由は「(自分の)次にちゃんとできる人が出てこなきゃいけない。僕は別にキャプテンじゃなくてもできますから」だった。立場が人を変え、主将の重責がひと回り大きく成長させることもある。それを願ってのことだった。

 そして、昨オフの契約更改後の会見では後任候補として「誠司」と小林の名前を口にした。しかし、チーム関係者の話を総合すると、当時から坂本自身が候補の一人と認めていた岡本が、ここへきて筆頭候補に躍り出ているという。

 今季の岡本は不動の4番としてリーグ連覇に大きく貢献し、31本塁打、97打点で初の2冠王に輝いた。一方の小林は2度のアクシデントに見舞われて不本意なシーズンを送り、故障の影響で日本シリーズの登録メンバーからも外れた。こうした状況も踏まえ、坂本の心は小林から岡本へ傾いているという。

 日本一が絶対条件となるだろうが、岡本が新主将となればどんな成長を遂げ、チームに化学反応をもたらすのか。ちなみに昨年の球宴では広島・緒方監督(当時)から全セの主将に任命され、円陣では「ツベコベ言うヤツはシバき倒していくんで」と先輩のスター選手たちに言い放ち、爆笑を誘っていたが…。いずれにせよ、今後の戦いから目が離せない。