復活の鍵は〝縦スラ〟習得か!? 阪神・矢野監督は甲子園での16日の秋季練習終了後、藤浪晋太郎投手(26)の来季の起用法に言及し「先発で行きたいと思っている。先発の方が(チームと藤浪の)どっちのためにもなると思う」と話した。

 今季の藤浪は登板5試合目の8月21日に2年ぶりの勝ち星を挙げたが、好結果を出せずに中継ぎへ配置転換。救援では13試合で0勝1敗7ホールド、防御率2・35と結果を残し、先発に再転向したラスト3戦では計15回を1失点(自責点0)と好投を重ねた。

 もちろん、早々と開幕ローテ入りを約束されたわけではない。来春のキャンプやオープン戦でも成果や結果を求められることになるが、指揮官はそのために必要な準備として「縦変化のスライダーを覚えた方がいいと思っている。横のスライダーは抜けたり引っかかったりしてしまうけど(縦スラなら)ベースの中で空振りも取れるし、打者も見極めにくい。ヒジも上がってくるから直球も角度がつくし、フォークも叩きやすくなる」と持論を展開。コーチ時代にも同様のアドバイスをしていたという。

 藤浪は不振脱出の手掛かりをつかむため、これまでも方々のドアをノックして現状打開を模索してきた。2018年にはダルビッシュらと米テキサスで合同自主トレを行い、メジャー175勝左腕のカーショーの下で宝刀カーブの投げ方を教わった。昨秋と今春のキャンプでは、臨時コーチを務めた山本昌氏に師事。「手首を立てて縦にリリースする」フォームを習得するためのプロセスとして、同氏の代名詞・スクリューを伝授されたことも記憶に新しい。

 今季の藤浪はカーブもスクリューも実戦投入することはほとんどなかった。指揮官から直々に厳命された「縦スラ習得論」をどう受け止めるかにも注目が集まる。