西武がドラフト3位指名した山村崇嘉内野手(18=東海大相模)が16日、横浜市内のホテルで入団交渉を行い契約金5000万円、年俸700万円で合意した。

 交渉後、会見に臨んだ山村は「改めてプロの世界に行ける嬉しい気持ちでいっぱい。プロの一流選手と試合ができることが楽しみ。まずは1年間通してケガをしない体作りをして、将来的に球界を代表するような選手になりたい。将来的には三冠王を獲りたい」と大きな目標を語った。

 目標とする選手に球団初の2000安打にあと「74安打」と迫っている同じ左打者の栗山巧外野手(37)を挙げた期待のドラフト3位は「参考になる部分は多い。栗山選手とは経験が違うと思うのでピッチャーのことや野球の事を聞きたいです。そこは積極的にどんどん自分から話していきたい」と物おじしない性格もアピールした。

 目指すポジションは近年、ライオンズが松井稼頭央(1993年ドラフト3位)、中島裕之(現在は宏之=00年ドラフト5位)、浅村栄斗(08年ドラフト3位)と球界を代表する「高卒の中心野手」を輩出してきたショートだ。

 現在は日本球界を代表する名手・源田壮亮内野手(27)が座るポジションだが、山村は「進路をプロに絞ってから幅を広げようと思った。(転向したのは)コロナ(自粛)が明けて2、3か月。グラブさばきはいろいろな方から評価を受けているので、そこは自信があるところ」ときっぱり。西武にとっては3年後、5年後の将来を見据えた大型遊撃手構想でもある。

 同席した潮崎哲也編成グループディレクターも「ショートをやっていれば(内野は)どこでもできる」という西武伝統の基本方針に触れながらこう続けた。

「(遊撃を始めて)2か月とは思えないセンスの良さ。長くショートをやっているような素晴らしい動きをしている。去年はピッチャーとファーストとして見ていたが、ショートとして十分やっていける。肩も強いし、それも含めて全てセンス。その上で打撃は秀でている。ツボにはまった時の長打力もある。普通に育てばライオンズを飛び越えてリーグを代表する選手になると思っている」

 西武が「ポストおかわり」と期待する1位指名の渡部健人内野手(21=桐蔭横浜大)と合わせ、近年多くの主力野手を輩出してきた「ドラフト3位野手」がその期待通りの成長を見せてくれれば、今ドラフトは森、山川のダブルMVPを獲得した2013年の〝神ドラフト〟に肩を並べることにもなる。(金額は推定)