王者の戦いだった。ソフトバンクが天敵・ロッテとのCSを2連勝で突破。昨年からポストシーズン12連勝で、巨人と激突する日本シリーズの切符を勝ち取った。

 初回に先発・東浜がまさかの3失点。前日と同様にロッテのペースとなりそうな苦しい展開だった。ただ、そんな中でもベンチに慌てる様子はない。

 中村晃が2打席連続2ランを放つなど、打線が欲しいところで得点を奪って逆転に成功。5回からは救援陣6投手がマウンドに上がり見事に逃げ切った。点差以上に短期決戦で発揮される工藤ホークスの底力を感じさせた2試合だった。

 過去2年、縦横無尽にタクトを振って下克上を成し遂げた〝短期決戦の鬼〟も今回ばかりは出番が少なかった。

 大舞台でのナインの堂々たる戦いぶりに脱帽。「1点でも取れば変わるとか、ここでつながれば得点になるとか。経験を積むことで自分たちの中にこれでというものがあるのかもしれない。緊張する試合の中でも普段のシーズンと変わらず戦ってくれた」と最敬礼した。

 手応えを感じたのは王球団会長も同じだ。短期決戦でのチームの戦いぶりは頼もしい限り。「選手たちが戦い方を知っている。勝っている時も、負けている時も、自分たちが何をしなければいけないかを分かっている」と笑みを浮かべた。

 自身が選手時代に達成した巨人V9以来となる日本シリーズ4連覇に向けて「あとは勝つのみという戦いだから。選手たちも気合を入れてくれると思う。相手も巨人で不足はないしね」と力を込めた。

 名実ともに常勝軍団となっている工藤ホークス。日本シリーズでもセ王者の巨人に力を見せつける。