【パCS・第2戦】鷹投手陣を支えた甲斐「投手から信頼される捕手」を証明

2020年11月15日 19時23分

日本シリーズ進出を決め森唯斗(左)と抱き合い喜ぶ甲斐

【加藤伸一 インハイアウトロー】終わってみればホークスは2連勝で順当に日本シリーズへと駒を進めたが、この2試合に限って言えば、どう転んでも不思議ではなかった。やはりCSというのは特別な戦いであり、レギュラーシーズンで14ゲーム差をつけたからといって楽に勝てるわけではない。

 初戦先発の千賀、2戦目の東浜は、どちらも本調子ではなかった。特に東浜は立ち上がりから制球が定まらず、4回を投げ終えて降板するまでに79球を投じて7安打、4四死球で3失点。トータルでも9イニングで6度も先頭打者を出しながら勝利できたのは、甲斐の粘り強いリードがあったからだ。

 千賀や東浜クラスの投手なら、状態が良ければ放っておいても抑える。捕手の真価が問われるのは調子の悪い投手をどう操縦するか。球種やコースを駆使した甲斐の巧みなリードがなければ、2試合とも序盤で試合が壊れていたかもしれない。

 今年に限ったことではないが、甲斐は捕手という立場上、工藤監督からリードのことでお叱りを受けることが多々ある。スタッフの中から「甲斐がつぶれてしまうんじゃないか」と心配する声が聞こえてくることもあった。それでもめげずに前を向き、試行錯誤を繰り返しながら投手からの信頼や現在の立ち位置を獲得してきた。このCSでの2連勝は〝たまたま〟ではなく、甲斐が耐え忍んで積み重ねてきたことを大一番で発揮した結果でもある。

 ワンバウンドの球を止める技術や「甲斐キャノン」と称される強肩だけではない。指揮官からのプレッシャーをも克服してきた甲斐は、12球団でもトップクラスの「投手から信頼される捕手」になったと言っても過言ではないだろう。

(本紙評論家)