中日・大野雄大投手(32)が、今季7月に取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、来季以降もチームに残留する意思を固めたことが11日、分かった。

 巨人、阪神など複数の球団が水面下で調査に乗り出していたが、残留を決断。ここまで中日球団との交渉で提示された3年契約、総額9億円プラス出来高払いで合意したもようだ。

 昨季まで2桁勝利から4年連続で遠ざかっていたが、ここまで今季はチーム最多の11勝(6敗)をマークし、エースとして完全復活。先発ローテーションの柱として君臨し、9月から10月には45イニング連続無失点の球団記録を樹立して防御率1・82と148奪三振はいずれもリーグトップを誇る。6完封を含む10完投を記録しており、沢村賞獲得の可能性も十分だ。

 6日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)に登板し、今季限りで引退した吉見一起投手(36)へ向けた惜別コメントでは「これからもチームを勝利に導くことが恩返しになると思いますので吉見さんの魂を引き継いでいきたいと思います」。試合後の表彰式では「シーズン残り1試合まだありますので全員で戦って。まずはシーズンをしっかり戦い終えてから、みなさんにいい報告ができればと思います」と、チームやファンへ向けて残留をほのめかすメッセージを送っていた。