同僚助っ人の二の舞いにならないか。来季残留が明らかになったロッテの助っ人外野手マーティンに関して、早くもチーム周辺から不安の声が上がっている。

 今季はチーム最多25本塁打をマークしたが4日に負傷中の左足首治療のため米国に一時帰国。今季の出場は絶望的となったため来季の去就が注目されていた。ところが5日になって突如、米メディアが「2年およそ6億3000万円で契約延長」と報じたため、球団関係者や報道陣は「本塁打はともかく打率は2割3分4厘。それで一気に年俸3億円以上?」と大混乱。そこで同日の試合前に河合オーナー代行兼球団社長が取材陣に応対し「来季も残っていただくよう契約したのは事実」と契約合意は認めた上で「金額、年数はちょっと違うので」と一部契約内容を否定した。

 球団関係者によれば、実際のマーティンの契約は「年2億円ベースの複数年」で、米メディア側から出た報道は「年俸つり上げのための作戦でしょう」とポツリ。「ウチの資金力と年俸のバランスを考えれば年3億なんてありえない」(前出関係者)と困惑した表情で事実関係を一蹴しただけに、マーティン側の情報漏えいに不快感は拭えない。

 もっとも、マーティンへの不安はそれだけではない。複数年契約を結んだことで来季の活躍に疑問符がつくからだ。助っ人の複数年契約は戦力を保持できるメリットがある反面、契約1年目は働かない傾向が強い。今季のレアードがその象徴だろう。

 日本ハムから単年契約でロッテに加入した昨年は139試合で打率2割4分8厘、32本、89打点を記録。チームは好成績を考慮して昨オフに2年総額4億円越の大型契約を結んだ。しかし、今季は開幕直後の10試合で5本塁打を放ったが、その後はさっぱり。8月5日には腰の張りを訴え登録抹消。同16日に米国に帰国後、椎間板ヘルニアの手術を受けて来季に備えている。となれば、大型契約に加え左足首負傷のマーティンも1年目の来季は同じ道をたどっても不思議ではない。

 河合オーナー代行はマーティンについて「フォア・ザ・チームというか、勝つことに対するこだわりが強い。ある意味リーダー的な部分も担ってくれる」と全幅の信頼の上での契約延長を強調したが…。果たしてこの複数年契約、吉と出るか凶と出るか。