これではクライマックスシリーズ(CS)進出どころか来季以降の戦いにも影響が出そうだ。

 ロッテの〝歴史的失速〟が止まらない。4日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に0―2で今季13度目の零敗を喫した。ホークス戦は7連敗で、同率2位だった宿敵・西武が大勝したため3位に転落。自力CS進出の可能性も消滅した。

 いよいよ崖っぷちに追い込まれた格好の井口監督は「残り試合、とにかく全力で戦うだけ。あまり向こう(西武)がどうこうじゃない」と強気の姿勢を崩していないが、現在の低迷を一変させる策はほぼ残っていない。それどころかCS進出時に「切り札」として期待していた助っ人マーティンがこの日、負傷中の左足首の治療のため米国に一時帰国してしまった。今季中の出場が事実上絶望となったことで、チームはさらに意気消沈するという悪循環に見舞われている。

 こうなると気になるのが、来季に向けての首脳陣の「責任論」だ。何せロッテは9月14日時点で貯金14を誇りながら、気がつけば貯金1という想像を絶する失速ぶり。

 シーズン中盤まで「お得意様」と手玉に取っていたソフトバンクとの対戦成績も1試合を残して11勝11敗1分けの五分に戻された。10月上旬に新型コロナ感染拡大による主力選手の大量離脱があったとはいえ、このままCS進出を逃せば、首脳陣の責任を問う声がチーム周辺やファンから噴出するのは確実だ。

 その場合、シーズン序盤の好調で長期政権が目されていた井口体制にも暗雲が漂う。何より想像を絶する失速を経験した選手、チームの来季以降の戦いにも影響を及ぼす可能性が高いだけに残り試合の戦い方が重要になる。

 残り試合はわずか4試合。井口ロッテの正念場が続く。