完璧な投球だった。ソフトバンクのエース・千賀滉大投手(27)が4日のロッテ戦(ZOZOマリン)で8回を2安打無失点の快投。9奪三振で11勝目を挙げた。

 規定投球回まで7イニング。7回以上を自責点0に抑えて勝ち投手となり、9三振以上を奪えば「最優秀防御率」「最多勝」「最多奪三振」が見える最終登板だった。結果は全てクリア。4日現在で投手3冠に立ち「出来過ぎだなと思います」と笑みを浮かべた。

 3回には通算855回1/3で1000奪三振に到達。これは藤川球児(阪神)に続くスピード記録で、パ・リーグでは野茂英雄(近鉄)の871回を上回るリーグ最速だ。千賀は「(野茂氏は)存在がデカすぎて見えない方というか。そういうレジェンドの方々と名前が載ったのはうれしい」と声を弾ませた。

 奪三振への思いも人一倍強い。先発の場合は球数が増えるデメリットもあるが、それでもかねて「前に飛んだら内野安打もある。球数が多くなるとも言いますけど、3球で三振を取れればいいわけであって。理想は2球でポンポンと追い込めること」と〝最強の投手像〟を追い求めてきた。

 それは今季も変わらない。「(三振を)意識しなかったわけではなく取りたいところで正直取れなかった」と振り返り、この日の投球にも「三振も9個狙っていた。中継ぎの感じでストライク先行でいけたのが良かった」と手応えを口にした。

 直近5試合で自責点0。工藤監督も「野茂君を超えると言ったら相当すごいと思う。そこのこだわりも捨てないで、勝つと同時に三振を取れる投手になってほしいと思います」と最敬礼だった。