盤石のソフトバンク CSで「倍返し」の心配無用

2020年11月04日 11時00分

中断中に正捕手の甲斐(左)と笑顔交じりに会話する工藤監督

【前田幸長 直球勝負】倍返しされる危険はないか? 既に3年ぶりのリーグVを決めているソフトバンクの次なる目標はパでは初の4年連続日本一だ。そのための第一関門が、2位チームと戦うクライマックスシリーズ(CS)。2年連続でリーグ2位から日本シリーズに駒を進めて頂点をつかんだホークスに死角はないのか。そんな心配に本紙評論家の前田幸長氏がズバリ答えた。

 セ、パ両リーグの優勝も決まり、来週末にはパのCSが行われる。過去には幾度も下克上が起きているが、結論から言うと今のソフトバンクに死角は見当たらない。

 先発陣が千賀、東浜、石川、ムーア、和田と盤石。彼らがほとんど点を取られない。リリーフ陣も第2先発を含めて手厚い。10月のチーム防御率1・82は異常ともいえる数字だ。今季のCSは最長4戦で、先発陣から1人がリリーフに回るだろうから、驚異的な布陣で迎え撃つことになる。

 打線も「1番・周東」がハマったことで得点力が大幅にアップした。周東の足は1点を争う場面でも大きく生きる。それに打線全体のつながりも生まれてきた。今季はファーストステージがないため、2位チームはエースを初戦に登板させることができるが、どんな投手が相手でも点を取ることができる打線でもある。むしろファーストステージがなく「待つ時間」がないことはプラスに働くのではないだろうか。

 まだ2位チームが確定していない状況だが、ロッテ、西武、楽天…どこが来ても有利な状況は変わらない。あえて嫌な球団を挙げるとすればロッテか。前半戦で大きく負け越しており、CSの先発候補にもなる二木、美馬、チェン・ウェインを完全に攻略しているわけではない。逆にロッテの立場からすれば、先発が抑えて勝ちパターンの救援陣につなぐことができ、打線がワンチャンスで点を取れれば、何とか光も見えるか。ただ、マーティンの故障離脱が痛い。

 西武はソフトバンクからすれば楽な相手とみる。何より先発陣が不安定だし、鍵を握る打線もCS1、2戦目での先発が予想される千賀、東浜を10月に全く打てなかった。計3試合、21イニングで6安打とサッパリで、奪ったのは1点(自責0点)だけだった。

 4位・楽天も同様だ。打線のキーマン・浅村を鷹バッテリーは完璧に封じている。数字を調べて驚いたが、特に後半12試合の対戦では打率1割3分6厘、0本塁打、2打点に封じられ、ソフトバンクが9勝3敗と圧倒した。先発陣は揃ってはいるが、救援陣が攻略されるケースも目立った。

 工藤監督は昨年、一昨年と2年連続で下克上を成し遂げている。勝利にこだわる采配で選手層を生かして無敵の強さを見せてきた。用兵面でもソフトバンクが一歩も二歩も上手とみる。