阪神は31日のDeNA戦(横浜)に13―5で完勝。引き分けをはさんだ連勝は、今季最長の6にまで伸びた。先発の秋山が6回を3失点に抑え2017年以来の2桁勝利到達となる10勝目をマークした。

 陽川尚将内野手が初回の6号先制満塁弾を含む2発5打点の大暴れで、チームの爆勝に大きく貢献。3回には自己最多となる7号ソロも放ったが「まだシーズンは残ってる。一打席一打席が勝負になる」と試合後は表情を引き締めた。

 文句なしの打のヒーローとなった虎のゴリラーマンだが、浮かれるわけにはいかない。阪神は10月26日のドラフト会議で、アマ球界ナンバーワンスラッガー・佐藤輝明(近大)の交渉権獲得に成功。本職の内野に加え、外野も守れるパワーヒッターで、〝キャラ被り〟する陽川は来季以降スタメンの座をかけて激烈な競争にさらされることが確実視される。

 矢野監督も試合後「陽川の2本がチームを勢いづけてくれた。(試合に)出たり出なかったりの状況が続く中で、難しさもあったと思うが、(これまでのプロとしての)経験が生きてくるようになってきた」と称賛した上で「あいつ自身も危機感をもってやってくれると思う。残りの試合でも陽川らしく打席に入ったらフルスイングしてほしい」と猛ハッパをかける。

 ホームラン後の〝ゴリラパフォーマンス〟も板についてきた背番号55。つかみかけた自分の居場所を、やすやすとルーキーに明け渡すつもりはない。