鷹が歴史を塗り替えた。ソフトバンクは31日、西武戦(メットライフ)に11―2の大勝。10月の戦績を22勝4敗1分けとし、月間勝利数のプロ野球記録を更新した。70勝に到達し、貯金は今季最多を更新する30となった。

 CS進出圏内の2位を目指す獅子を序盤から圧倒した。初回二死満塁から明石が走者一掃の先制3点適時二塁打。2回も牧原の2点適時三塁打などで3点を奪うと中盤、終盤にも効果的に加点して主導権を握り続けた。

 大量リードに守られた先発・石川は6回4安打1失点の好投。開幕から先発ローテを守り抜いた右腕が2年ぶりの2桁勝利に到達した。「先発(だけ)で2桁(勝利は)初めてだったので。(中継ぎ兼任とは)ちょっと違う」と充実感を漂わせた。

 これで今季の最高勝率条件をクリアする10勝目をマーク。自身初のタイトル獲得の可能性も出てきた。

 中だるみどころか、日本一4連覇へ気合いがみなぎっているかのようだ。リーグ優勝決定後、これで4連勝。12連勝もマークした「最高の10月」は、歴史的にも「最強」と記憶されることになった。

 巨人、中日、西武と並んでいた月間最多勝を更新。10~31日の19試合で18勝を挙げるなどペナント佳境に記録したことにも意味がある。

 工藤公康監督(57)は白星量産の要因について「優勝後もタイトルがかかっていたり、イニングをしっかり投げたいと思っている選手がいたりとクライマックスに向けていいモチベーションになって、さらに状態が上がっているように感じている」と説明。

 石川の他にも、千賀が投手3冠の可能性を残し、東浜が10勝に王手をかけて規定投球回も狙える位置にいる。

 野手でも周東が連日、連続盗塁記録を更新した。個々のモチベーションと、それをアシストしようとする周囲の〝援護精神〟が相乗効果となって結果に結びついている。

 これで今週はロッテ、西武とCSで激突する可能性のあるライバルに5連勝。〝負のイメージ〟を植え付けることにも成功した。CS、日本シリーズに続く完全制覇へ鷹に死角は見当たらない。