ソフトバンクの周東佑京内野手(24)が29日のロッテ戦(ペイペイ)で、日本新となる12試合連続盗塁を決めた。世界の盗塁王・福本豊(阪急)が1971年、74年にマークした記録を46年ぶりに塗り替えた。

 初回だった。ロッテ・美馬から二塁への内野安打で出塁。続く中村晃の2球目にスタートを切って二盗を成功させた。高まる期待の中での達成。「めちゃくちゃ緊張しました。(塁上では)早く走って楽になりたいと思ってました。ホッとしました」と振り返った。

 これでシーズン48個目となり盗塁王争いもトップを独走中だ。10月は25試合で22盗塁。まさにノンストップで走りまくっている。その驚異的なスピードもさることながら、大きな武器となっているのが縦横無尽の〝スイッチ・スライディング〟だ。

 近年では汎用性を高めるため、アマチュアでも利き足とは逆のスライディングを身につけるよう推奨されているが、福本氏をはじめ過去のスピードスターたちは、スライディングの際に伸ばす足と畳む足が決まっている選手が多い。それが周東は両足を駆使する。あらゆる状況下でも、ベース近くで歩幅を合わせる必要がなく、最速で到達できるからだ。

 その〝原点〟は、ふとしたことがきっかけだったという。「高校の時だったと思うのですが、最初、僕は左足を前にして滑ってたんですよ。でも、みんな右を前にスライディングしていて。ちょっとやってみようかなと思って、それでやってみたら普通にできたので」と明かした。走塁センス抜群だからこその産物だった。

 とどまることも知らない驚異の鬼脚。これで69年のバート・キャンパネリス(アスレチックス)のメジャー連続記録にも並んだ。