28日の中日戦で9―1で大勝した阪神・矢野燿大監督(51)が、10304人の本拠地・甲子園のファンに粋な演出起用を行った。

 試合は攻撃陣の猛攻で8回を終え、8点差。9回表の最終回を6番手の谷川昌希(28)が二死を奪ったところで、指揮官がベンチを飛び出し、球審に「ピッチャー・藤川」をコール。場内アナウンスとおなじみの登場曲が流れ出すと、虎党は地響きのような「ウォー」という歓喜の大歓声から大合唱が沸き起こった。

 今季限りでユニホームを脱ぐ元守護神も、この起用にしっかりと応え、迎えたシエラ(32)を145キロ直球で一邪飛に仕留めて最後のアウトを奪取。自らも含め合計7投手でのブルペン・デーの〝トリ〟を飾ると「(中継ぎ陣)みんなでいい形でつなげられてうれしい。ファンの方と一緒の時間を頂けるというのは、すごく貴重ですし、レアな時間。今まで頑張ってきてよかったなと思うことですね」。同僚はもちろん、ファンへの感謝を口にしていた。