鷹を引き締めた〝アニキ〟柳田の「千賀が悪い」発言 小久保、城島らに重なる王者のDNA

2020年10月28日 05時15分

7回にフルスイングで中前打を放ったソフトバンク・柳田

【ソフトバンクV奪回】今シーズンも打の柱として君臨したのが柳田悠岐外野手(32)だ。故障で長期離脱した昨季の悔しさを晴らすかのように、シーズンを通してチームを引っ張った。

 バットだけではない。今季は〝柳田アニキ〟として、チームの精神的支柱にもなり存在感を発揮した。そんな姿が垣間見えたのが、8月11日オリックス戦(ペイペイ)の「千賀が悪い」発言だ。今季の戦いを象徴する出来事だった。

 若い川瀬のエラーをきっかけにエース・千賀が1イニング6点を失い、5点リードを一時ひっくり返された。そんな中で柳田は2本塁打の活躍で勝利に導くと、お立ち台で川瀬に「『お前は悪くない。悪いのは千賀』だって言いました」と明かしたのだ。

 球団OBはこの柳田の姿勢を「(00年代の第1次黄金期の)小久保、松中、城島、井口…。あのときは主力同士が思ったことを言い合って、お互い負けないように切磋琢磨していた。ああいった関係、姿勢がチームを強くする」と歓迎した。

 柳田はこの試合後「明日からも(川瀬に)気持ちよく野球をやってもらいたいから打てて良かった」とも話している。チーム関係者は「うちはベンチのムードが明るいチームだが、それでも若手が終始ノビノビできることはなかった。最終的には勝たなければいけないチームだから。ああいったことを中心打者が言って、ベテラン勢が若手をサポートしたことは大きかった」と振り返る。柳田は今季の象徴でもある若手台頭の下地にもなったのだ。

 工藤監督はそんな主砲に「チームを支え、打つ方でも守る方でも、そして若い選手たちの見本、手本としても。しっかりやってくれた選手だと思います」と最敬礼。規格外の打撃だけではなく、チームのV奪回に大貢献した。