得津高宏氏のドラフト診断「早川ら即戦力投手4人指名の楽天はほぼ満点」

2020年10月26日 21時28分

楽天に1位で指名された早大・早川

【2020ドラフト会議】今年度のドラフト会議が26日、都内のホテルで行われた。ドラフトで指名に成功した球団はどこか。そしてうまくいかなかった球団は…。元ロッテのスカウトで本紙評論家の得津高宏氏が、本紙恒例「ドラフト診断」で今年もズバリ採点した。

 まずはうまい指名ができた球団からいきましょうか。今年のトップは間違いなく楽天です。ドラフト1位のくじ引きに勝った球団なのですから「当たり前じゃないか」だと思われますが、早大・早川を4球団競合の末に引けたのはやはり大きい。本来なら8球団ぐらい競合してもいいぐらい評価されてもおかしくない逸材で、いい左投手はそうそう出るものではないからです。しかも上位4人に即戦力投手をずらりと並べることができた。欲を言えばチーム事情的に不安なポジションとなっている捕手を獲ってほしかったところですが、それ以外は文句なくほぼ満点のドラフトと言えるでしょう。

 その次に評価したいのは中日、DeNA、広島。阪神は近大・佐藤を4球団競合の末に引き当てましたが、個人的に粗さがあり変化球への対応に課題があるという話を聞いていることもあって、一軍で活躍するにはちょっと時間がかかるかもしれないと判断しました。

 やはりドラフトは投手です。基本的に私のドラフト評価は「いい投手を何枚獲れたか」を重視しています。高校ナンバーワンの逸材を単独指名で確保できた中日、社会人トップの実力を誇る投手を一本釣りできた広島は、上位で3人も即戦力投手の指名に成功、このところドラフト1位の投手指名で驚異的な的中率を誇っているDeNAは、今年も大学屈指の右腕を競合なしで獲得できた。この3球団は当初の予定通りに指名を終えることができたのではないでしょうか。

 阪神は前年の高校生中心の指名から、ガラリと即戦力中心へとシフトしましたね。これはこれで好感は持てますし、高校生、即戦力、高校生…と隔年で方針を変えていく手法などは昔からありました。球団がしっかり長い目で見た育成方針を見据えていれば問題はないのですが、フロントがころころ変わる球団では、そこがおかしくなってしまいがち。ただ、今年の阪神はドラフト8位まで指名したのにも世代交代を積極的にやっていくという意欲が見えましたし、高く評価できるドラフトだったと思います。

 次いで評価したいのが日本ハムとヤクルト、ロッテです。日本ハムは地元の大学生投手を単独で1位指名。ドラフト会議前から指名を公言しており、すんなり確保できました。足が武器の中大・五十幡を2位で指名したのには少し驚きましたが、独自路線をいくこの球団らしい指名といえば、そうかもしれません。いい捕手をどの球団がどうやって獲るのかが、毎年のドラフトの隠れた見どころにもなるのですが、3位で大学生捕手をきっちり押さえることができたのも良かった。飛び抜けて強調するところはありませんが、まずまずの内容ではないでしょうか。

 ヤクルトはドラフト1位の抽選で2連敗。それでもよくリカバリーできたなという印象です。即戦力左腕2人を逃しましたが、外れの外れの1位で即戦力右腕をキープ。2位で大学生左腕の指名にも成功し、指名バランス的にも格好はついたかと思います。ロッテは1位の早大・早川を外しましたが、外れ1位で法大・鈴木の抽選に勝ち、課題の左腕を獲得することができました。2位で明石商・中森を指名できたのも大きかったと思います。去年の佐々木朗希と今年の中森で、将来の投手陣が楽しみになってきます。

 以上8球団を「うまくいった球団」としましょう。

◇得津氏の診断
S=楽天
A=中日、DeNA、広島、阪神
B=日本ハム、ヤクルト、ロッテ