【2020ドラフト会議】社会人ナンバー1右腕の呼び声高い栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)は広島に〝一本釣り〟された。栗林は「これだけコロナで社会が厳しい中でドラフト会議が開けたこと、そして広島東洋カープさんに1位指名いただけたのはすごくうれしく思っています」と笑顔を見せた。

 最速153キロ直球に加えてカーブ、カットボール、フォークなどの変化球の制球力もあり、完成度の高い選手として評価されている。名城大4年時にもプロ志望届を出したが、3位以下なら社会人行きを明言していたため指名漏れした。

 その時、一時はプロ野球選手の夢をあきらめかけた。それだけに「今(の姿)は全然想像できなかった」という。しかし、名城大の先輩で中日OBの山内壮馬氏(35)から「まだ目指せるチャンスがある」と言われ再び夢を目指す原動力となった。

 広島には〝縁〟もある。昨年のドラフトで同じく単独1位指名された森下は、栗林が名城大3年次の時に選出された大学日本代表のチームメート。当時、明治大2年生だった森下とは宿舎の部屋が同じで「仲良く話した」とも明かした。

 それだけに意識する部分もある。栗林は「去年指名された森下のように、1年目から活躍できるように。社会人からプロに行ったということで、フレッシュさも持ちつつ大人びた投球ができたらなと思います」と話した。

 憧れは取材の時に井端弘和氏から「似てるね」と言われた広島のエース・大瀬良。右腕は「大瀬良さんに似ていると言われたことはすごくうれしかったので、まずそこを超えられるように頑張りたいなと思います」と気合を入れていた。