これも来るべき大一番へ向けての〝引き締め〟か。巨人・原辰徳監督(62)が、珍しく丸佳浩外野手(31)に注文を付けた。

 23日の阪神戦(東京ドーム)を5―4で辛勝し、優勝へのマジックを「5」とした。その先制点が2回に丸が放ったバックスクリーンへの23号ソロだった。ここまで対戦成績0勝3敗という阪神・西勇からの一発に、丸は試合後、球団を通じ「自分たちのペースをつかみたかったので、キッカケとなる先制点を取ることができてよかったです。しっかりと準備して自分のスイングができました」とコメントしたが、原監督がモノ申したのは5回の攻撃。坂本の適時打で1点を奪い、なおも無死満塁の好機に空振り三振に終わった打席についてだった。

「やっぱノーアウト満塁でのなんとか、っていうのはあるね。もう〝ひと動き〟あそこでほしかったというのが…。今日のゲームがこういう状態になったといっても、流れの中でね、あえて丸という素晴らしい選手に対して、あそこはやっぱ、何とかしてほしかった」

 続く若林が左前打を放ち1点こそ奪ったが、もし1点どまりに終わっていたらどうなっていたか…。これまで原監督が丸に苦言を呈したことはほとんどない。常に高いレベルを求め、結果を残してきた打者とあって、犠飛すら打てなかったことに指揮官は不満を隠さなかった。

 そして、もう一つは守護神・デラロサの2試合連続の途中降板だ。2点リードで迎えた9回に登板するも、一死後に四球、さらにヒット2本を食らって1点差。なおも一死一、二塁で代打・糸井が登場したところで、原監督は左腕・田口にスイッチした。

 守護神の途中降板は20日のヤクルト戦に次ぎ2試合連続。デラロサの不調もあるが、シーズン終盤に来て続く〝意表采配〟は、日本シリーズの戦いに向けた布石…とも見られている。試合後の原監督も「おかしい? 最善策というところですね」とサラリだった。

 ナインには勝つための最低限の仕事を求め、自身は一戦必勝のため悔いのない采配をふるう。原監督の準備に抜かりは一切ない。