圧倒的な強さだ。ソフトバンクが22日の日本ハム戦(札幌ドーム)に4―2で勝利。11連勝で優勝マジックを6とした。

 圧巻の投球を見せたのは先発のマット・ムーア(31)だ。左腕から繰り出す最速152キロの直球に、カーブ、チェンジアップなどの変化球を交えて日本ハム打線をねじ伏せた。7回を2安打無失点、10奪三振の快投で6勝目を挙げて「拓也(甲斐)と、しっかりコミュニケーションを取りながら投げることができた。自分らしい投球だったと思います」と笑みを浮かべた。

 札幌ドームでの先発は2度目。6月30日の前回登板でも6回を3安打1失点に抑えて10奪三振。「硬さがあり好きなタイプのマウンドです」と手応えをうかがわせての登板で、その通り、またもや結果を出した。

 先発ローテの一角として欠かせない存在だ。デビュー戦こそ西武を相手に4回を投げて7安打6失点と炎上。捕手・甲斐と呼吸が合わず、日本の野球に戸惑う面も見せたが、登板を追うごとに修正を図ってきた。自らで感じた課題をクリアしてきた。これまでに何人もの助っ人投手を見てきた工藤監督も左腕が見せている姿勢を強くリスペクト。「いろんなことを投げ終わった後だったり、次のチームに対してだったりやってくれている。捕手とのコミュニケーションや日本の野球にとても早く順応した選手だと思う」とたたえるばかりだ。

 打っては日本ハム・吉田輝に対して2回に牧原の適時二塁打で先制。さらに5回には周東が左前打で出塁すると、二盗に成功し、6試合連続盗塁で、育成ドラフト出身選手のシーズン最多記録の42盗塁目。これが起点となり、グラシアルの中前適時打などで、この回、一挙3点を奪った。

 負けない工藤ホークス。このまま本当にVの瞬間まで突っ走りそうな勢いだ。