M8ソフトバンク 工藤監督盤石の〝V4タクト〟で日本一へ死角なし

2020年10月22日 06時15分

バレンティン起用も先を見据えたものだった

 ソフトバンクが21日の日本ハム戦(札幌ドーム)に9―1で快勝し、10連勝で優勝マジック「8」を点灯させた。2位・ロッテにゲーム差0に迫られたところから始まった破竹の連勝。工藤監督は日本一をも見据えた盤石の〝V4タクト〟を振っており、パ・リーグ初の快挙まで一気に上り詰めそうな雰囲気すら漂わせている。

 勢いは止まらない。序盤こそ接戦で進んだが、終わってみれば2夜連続の圧勝。初のマジック点灯に工藤監督は「これが急に0になるわけではない。明日が残り8つ勝つための一つ目という強い気持ちを持って臨みたい。相手が負けることを望んだようではダメだと思う」と力を込めた。

 連勝のスタート時点では2位・ロッテにゲーム差なしの1厘差にまで迫られていた。それが気付けば7・5ゲーム差だ。とはいえ、最後の直線でムチを使っているかというとそうではない。工藤監督はパ・リーグ初の4年連続日本一まで見据えた盤石のタクトを振っている。

 その一つがウラディミール・バレンティン外野手(36)の3戦連続スタメン起用だ。バレンティンは今回の連勝中に4度、DHで出場。特に14~16日の3連続スタメンは昇格後12打数1安打とまったく振るわない中での起用だった。工藤監督は「出られる時に出さないと感覚も戻ってこない。出られる時には出せるようにと思っている」と話したが――。

 チーム関係者は「そこは短期決戦の鬼ですから。CSや日本シリーズで必ずしも使うつもりがあるというわけではないが、もし調子が上がってきてくれるようなことがあれば、一発もあるし一つの選択肢になる。日本シリーズでいえばセ・リーグとの勝負なわけですから」。こう意図を説明した。

 短期決戦は助っ人外国人の集中力が決め手となることがある。ましてや日本シリーズはバレンティンが昨季まで〝主戦場〟として活躍していたセ・リーグとの戦いだ。この3試合では肝心のバレ砲がノーヒットに終わり、思惑はハマらなかったものの、使わなければ状態が上がりようもない。

 最終盤で〝第2の勝ちパターン〟を完成させていることも大きい。本来、ここまで来れば多少の点差でも勝利の方程式で逃げ切りたいもの。悲願のV奪回となればなおさらだ。しかし、ここまでフル回転している守護神・森は10連勝中に投げたのは2試合のみ。セットアッパー・モイネロも3試合だ。いずれも3点差以内の場面でしか登板させなかった。

 勝ちパターンを使ってしまいそうな4点差での勝利が3試合あったが、そこで登場したのは泉、杉山、松本らヤング救援陣だった。嘉弥真、高橋礼、岩崎が加わることはあっても、見事なまでに使い分けて勝利を重ねた。移動疲れのともなう6連戦が続くシーズン。日本シリーズに出れば11月末まで戦うことになる。ロッテとの直接対決があるラスト10試合の戦いはもちろん、その先を見据えても盤石を期した起用というわけだ。

 いよいよV奪回目前のソフトバンク。ここにきての無双状態で日本一へも死角なしか――。