勢いは止まりそうにない。ソフトバンクが20日の日本ハム戦(札幌ドーム)に11―2で快勝し、今季初の9連勝。2位ロッテに6・5ゲーム差をつけた。

 9連勝中は4度の零封勝ち。1試合平均1・56失点で、打線も2試合連続の2桁安打2桁得点と乗ってきた。工藤監督は「選手たちが残り20試合(を切って)というところでエンジンをかけて戦っているおかげです」と笑顔が絶えない。

 シーズン終盤の大事な局面で強い勝ち方を続けている。前カードの楽天3連戦では力の差を見せつけるような展開で3連勝。今回の日本ハムとの最終カードも初戦から圧勝してみせた。

 ここまでの過程で圧倒的な成績で打撃2冠を争っている〝2大スラッガー封じ〟が完全に成功していることが大きい。楽天・浅村は打率2割8分6厘、31本塁打、99打点で、日本ハム・中田は2割4分3厘、29本塁打、101打点。いずれもチームのポイントゲッターで、本塁打と打点は抜きんでた数字でタイトルを争っている。

 これがソフトバンク戦だと驚くほど打てない。浅村は24試合で打率1割8分6厘、3本塁打、12打点。中田はこの日の9回に0―11から放った2ランを含めて22試合で打率1割7分5厘、4本塁打、11打点と冴えない。

 球団フロントは「全員を徹底マークはできないが、彼らはキーになる選手。それだけチームでやっている分析や解析がうまくいっているということでしょう。それをもって完璧に抑えられるわけではないが、こういうのは意識させたら勝ちのようなところもある。うちには力のある投手がいるし、バッテリーの力で意識させることに成功している面があるのでは」と手応え十分に話す。

 短期決戦での〝キーマン潰し〟は工藤監督の現役時代からの得意技でもある。効率的にライバルと差をつけるソフトバンクに付け入る隙はない。