新人王を狙う巨人の期待株・戸郷翔征投手(20)が20日のヤクルト戦(神宮)で一回り成長した姿を披露した。自己最多となる6回134球を投げ3安打無失点9奪三振。勝利投手の権利を持って降板したが、後続の投手陣が9回に同点を許し、9月27日の中日戦以来となる今季9勝目は目前でなくなった。

 雨天中止の影響で中8日での登板となった戸郷。チームは救援陣が打ち込まれ2連敗中とあって「長いイニングを投げられるように精一杯頑張ります。マジックを減らせるようにチームに貢献したいです」とマウンドに臨んでいた。

 気合が入り過ぎたのか、初回3四球を与えいきなり二死満塁のピンチ。それでもエスコバーを148キロ直球で中飛に打ち取ると、3回二死一、二塁のピンチも坂口を三飛に仕留めた。尻上がりに調子を上げた背番号13は5回には山崎、青木、山田哲を三者連続三振に切って落とし大きくほえた。

 若武者の孤軍奮闘にG打線が6回にようやく応えた。ツバメ先発・高梨から先頭・松原が中越え三塁打。キャプテンの坂本が2000安打まで残り17に迫る先制の中前適時打を放った。「追い込まれていたので何とかバットに当てようと思っていました。戸郷が頑張っていたので援護できて良かったです」と笑顔だ。

 そんな〝虎の子〟の1点をもらった戸郷は5回109球ながら6回も続投。これまで自己最多が116球の右腕は一死から坂口、エスコバーに連打を浴びるなど二死満塁と追い込まれたが、代打・西浦を134球目、143キロ直球で空振り三振に仕留めマウンドを降りた。

 だが、試合は1得点では厳しい。9回二死満塁で田中豊が山田哲に痛恨の押し出し四球で同点。試合は1―1のまま延長戦に突入し、無念のドローとなった。