西武はロッテ、ソフトバンクと続く大事な6連戦の初戦となった20日のロッテ戦(メットライフ)に幸運な相手の落球で2ー1のサヨナラ勝ち。3位の楽天と同率で並び、CS出場圏内である2位・ロッテとの差を残り18試合で5ゲームと縮めた。

 9回に同点とされた西武はその裏、二死二塁のチャンスでベンチに控えていた代打・山川を使わず9番・山野辺をそのまま打席へ。すると、この山野辺が相手守護神・益田に打ち取られた浅い右前への飛球を二塁手・西巻と右翼手・マーティンが衝突し、これを落球。二塁走者・外崎がサヨナラのホームを踏んだ。

 安打ではなかったが、サヨナラのラッキーボーイとなった山野辺は「まさか落ちるとは思わなかった。半分、(10回表の)守備に行こうという気持ちもあったので、よかったです」と初のお立ち台で初々しくコメントした。

 その山野辺について、辻監督は「やっぱり、それだけの内容をずっと見せているから。チャンスを必死にモノにしようとする気持ちが前に出ているし、山野辺が何か起こしてくれるんじゃないかという期待で代打は考えませんでした」ときっぱり。そして試合前、山野辺に「一日一善」という言葉を送った指揮官は「自分にも経験があって、最初ゲームにちょこちょこっと出始めた頃に使ってもらっているところで、何か爪あとを残してやろうと必死にやっていた。そういう意味では山野辺は練習の時から本当に必死で一生懸命やっている姿が彼のいいところ。結果出している間はスタメンで行くチャンスは大いにある」と、そのひたむきさにかけた考えを明かした。

 また、この日の試合前に現役引退を発表した高橋朋巳については「私がライオンズのユニホームを着てからはそういう姿は見てないけど、違うチームにいた時は体は大きくないのにすごい活躍を見ていた。やっぱり改めて高橋朋巳がライオンズファンに残したもの、実績はすごいなと思う。あの音楽が流れる度に朋巳のタオルを持って応援してくれるファンがこれだけいるんだな、すごいファンを持っていたんだなと思います」とも語った。

 幸先のいいサヨナラ勝ちで勝負の6連戦に先勝した前年王者・西武が逆転のCS進出を果たすにはまず、このロッテ戦3連勝が前提条件となってくる。