我慢できなかった――。巨人・原辰徳監督(62)が敗戦の責任を一人で背負い込んだ。

 優勝へのマジック「8」で迎えた18日のDeNA戦(横浜)は、5点リードで迎えた7回、2失点の後、梶谷に満塁弾を浴びるなど、1イニング6失点の大逆転を許し6―10で敗れた。しかし、2位・中日も敗戦したため、マジックは1つ減り「7」となった。

 初回、1番・吉川尚がDeNA先発・上茶谷の初球をいきなり右翼スタンドへ叩き込む8号ソロで幸先よく先制。3、5回にもそれぞれ2点ずつを加え5―0。先発・畠も伸びのある直球を主体に6回まで無失点とプロ初完投まで視野に入るほどの好投を見せていた。

 ところが…7回、連打で無死一、三塁とピンチを背負うと、7番・柴田の内野安打で1点を献上。なおも無死一、三塁となったところで、指揮官はセットアッパーの高梨を投入した。

 しかし、代打・伊藤光の中前打で1点を追加され5―2。なおも無死一、二塁のピンチで戸柱に四球を与え塁がすべて埋まると、1番・梶谷にまさかまさかのグランドスラムを浴び5―6。防御率0・57を誇っていた高梨もぼうぜんと立ち尽くした。

 しかし、試合後の原監督はひたすらに自分を責め続けた。「(畠は)アウトカウントを一つ取ってバトンを渡してくれるとね…。(しかし自分が)なかなか我慢できなくて、結果的にはアウトカウントを取れずにね、僕が高梨を投入したというとこですね。もう一つ、僕が我慢してワンアウト、彼が取るまでという…」

 指揮官には、6、7回にピンチに陥った先発投手が一死も取れぬまま中継ぎに引き渡すと、あまりいい結果は生まれないという〝経験則〟があった。とはいえ、畠も一気に崩れる可能性もある中で決断し切れず「代え時というのを私自身が我慢できなかった」。

 打たれた畠、高梨を責めず、ひたすら自責と自戒に終始した原監督。自らをも引き締め、Vを目指す。