米国で妻への暴行と監禁の疑いで逮捕されたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が29日の会見で謝罪。今シーズンの目標を「チームの優勝。個人的には去年と同様か、それ以上の活躍をすること」と、昨年自ら達成したプロ野球記録、シーズン60本塁打の更新を誓った。

 当初、キャンプに参加できるか懸念されていたが、裁判所から15日に保釈が認められ、24日には渡航許可が下りた。どうにかキャンプインには間に合った格好だが、果たしてシーズンに集中できるのか。チーム内からはこんな見方も出ている。

「ココ(バレンティン)は本来、目立ちたがりでプライドが高い。昨年、あれだけ活躍できたのもWBCの屈辱があったから。オフにあれだけの騒動を起こしたのだから、汚名返上のためにもやってくれるでしょう」

 プロ野球新記録のシーズン60本塁打を放った昨季、ブレークのきっかけとなったのは第3回WBCの結果にあった。オランダ代表として主砲の役割を期待されながら、2次ラウンド中に左足内転筋を痛めた。

 痛みをこらえ、サンフランシスコで行われたドミニカ共和国との準決勝に臨んだが、結果は1―4で敗退。最後は得点力不足で敗れたとあって「国を背負っての戦いで敗れたのは、本人も相当悔しかったようだ」(球団関係者)。その屈辱が、大記録達成のエネルギーにつながったという。

 そうした意味では、今回の騒動は昨季以上の屈辱。これをはね返すには、相当の成績が求められることは本人も自覚している。故郷の英雄から一転してスキャンダルまみれとなったが、てんぐになって油断してしまうよりは、プレーの面では吉と出るかもしれない。