11年ぶり沢村賞あるぞ! 楽天・涌井の粘り気増した「納豆投法」

2020年10月15日 06時15分

ロッテ戦で11勝目を上げた涌井。ベテランの技が冴え渡っている

 ピンチを救った。楽天・涌井秀章投手(34)が14日のロッテ戦(ZOZOマリン)で先発し7回1失点の力投でリーグトップを独走する今季11勝目をマーク。チームは負ければ自力でのCS進出が消滅するところだったが、古巣相手に気迫あふれる投球で意地を見せつけた。

 登板後の右腕は「しっかり先発の仕事ができたかなとは思う」とひょうひょうとした表情。三木監督からも「素晴らしかった。マウンドでの落ち着きや投球する姿を含め、ナイスピッチングだったと思う」と絶賛された。

 今季から楽天に移籍。新天地でクリムゾンレッドのユニホームを身にまとった途端、4年ぶりの2桁勝利を飾ったばかりか、この日は5年ぶりの11勝に到達した。一体、涌井はなぜ劇的な復活を果たしたのか――。

 本紙評論家の前田幸長氏は今季の右腕について「これでもかというぐらい、間違わないように丁寧に投げている。持ち前の〝ねちっこい投球〟に磨きがかかった印象。だからピンチを背負っても崩れない。あの納豆のような投球スタイルは球界ナンバーワン。ベテラン投手なら誰もが身につけたい技術だろう」と評した。

 確かにこの日も3回、5回、6回と得点圏に走者を背負いながら、本塁を踏ませず窮地をしのぎ切った。終わってみれば、失点も初回に喫した藤原の先頭打者弾のみの9残塁。まさに磨きをかけた「納豆投法」が冴え渡った格好だ。

 これで古巣のロッテ相手には4勝目。パの5球団中で最も勝ち星を重ねている。〝ロッテキラー〟となっていることに関しても、元ロッテの前田氏は触れ「(自ら移籍を志願したとはいえ)金銭トレードとなったことで、本人としては忸怩(じくじ)たる思いもあるはず。そこで手を差し伸べてくれた楽天・石井GMのためにもという思いがある一方、古巣のロッテには〝まだこれだけやれる〟という投球を見せつけようとする思いが、彼を精神的に強くさせているのだろう」と分析した。

 最多勝、最高勝率と現在2冠の涌井。個人タイトルはもちろん、2009年以来となる11年ぶりの沢村賞も夢ではない。