ソフトバンクの本多雄一内野手(29)が“完走宣言”だ。昨季はWBCの出場で打席数が足りなかったことも影響し、3、4月の打率が1割台に低迷した。今年はオープン戦初戦からのフル出場して勢いをつけ、日本シリーズ、アジアシリーズまでの全試合にフルイニング出場することを目指す。そのためにも開幕からスタートダッシュを決めるつもりだ。

 本多は25日、観光大使を務める佐賀県嬉野市で自主トレを行った。この日は、あいにくの雨天だったが、室内練習場でマシーン打撃を行うなどして汗を流した。今季の目標についてきかれると、オープン戦からアジアシリーズまでの“完走”を宣言した。


「オープン戦でも1回から9回まで出たいというのがある。途中で代わるあれ(年齢)じゃない。オープン戦でもシーズンでもフルイニングを目指したい。(日本シリーズの後に控える)アジアシリーズまで二塁を守り続けるつもりだし、1番を目指してやります」


 昨季は最終的に打率2割8分3厘まで引き上げたものの、3、4月に打率1割9分1厘に低迷した。スタメン落ちも経験した。本多本人は「それを理由にしたくはないですが…」というが、WBCの影響が大きかった。王球団会長も心配したように、代走と守備固めの役割を担ったため期間中ほとんど打席に立てず、オープン戦も帰国後に最後の駆け込みで出場しただけにとどまったことが響いた。


 144試合フルイニング出場を果たし、打率3割5厘、60盗塁と自己最高の成績をマークした2011年は、オープン戦からのフル出場を成し遂げた。その11年をイメージし今季はオープン戦からフル出場して万全の調整を進める。シーズンでは開幕からスタートダッシュを決めるつもりだ。「出だしがよければというのはあります。いいシーズンはスタートから納得のいくいい結果を出せている。そこを求めたい」


 対戦相手としては“打倒・オリックス”も重要なテーマだという。入団時の師匠でもある森脇監督が率いるオリックス戦は打率1割9分7厘。特に天敵の西には12打数1安打と苦しんだ。「オリックスは打ててないイメージがある。ただ、不得意はなくしていかないといけない」


 今回、嬉野で自主トレをともにしたオリックス・安達が盗塁王宣言していることについて「負けません。同一リーグで競うことは大事だと思う。もう1回盗塁王を争ってタイトルを取るようにイメージしてやっています」と力強く話した。


 本多が144試合に出場して盗塁王に輝いた2010年と2011年は、チームもリーグ連覇している。その活躍は鷹の日本一奪回には不可欠だ。