中日のドラフト1位候補選びが波乱含みとなっている。13日に名古屋市内の球団事務所でスカウト会議が行われ、与田剛監督(54)が初めて出席したが、スカウト陣らとドラフト1位候補を巡って意見が衝突。地元の逸材である中京大中京の最速154キロ右腕・高橋宏斗投手の将来性を推すスカウト陣に対し、現場の与田監督は即戦力投手を要望した。

 米村アマスカウトチーフは高橋について「負けない投手。過去の例を見ても松坂(大輔)投手とか田中(将大)投手とか高校時代は負けていない。そのくらいのレベル。将来的にはそれぐらいの伸びしろはある。先発ローテーションをきっちり守って最多勝、沢村賞が取れるような将来性のある豊かな選手」と大絶賛する。

 しかし、与田監督は最速155キロを誇る早大のエース左腕・早川隆久投手(22)を要望している模様で、約2時間も1位候補に関する話題に終始。米村スカウトは「高橋君は大学、社会人全員を含めて比べてもトップクラス」と即戦力としても最大級の評価をしているが結局、この日は結論は出なかった。

 球団内の間では「確かにチームが今、2位も狙える位置まできて監督が即戦力がほしいというのは当たり前の話で、もう少し戦力が整ったら優勝できるのではないかという考えも重々分かるが、われわれは将来的なこともあるし、そこらへんの温度差があるので、それを徐々に埋めていかないといけない。最終的に球団と監督とこの選手で行きましょうとなるには、おそらくドラフト会議前日ぐらいまで決まらないと思う。それぐらい混沌としている」と頭を抱えている。

 果たして中日のドラフト1位は、地元の高橋か、それとも与田監督の母校(木更津総合=当時は木更津中央)出身の早川か…。