巨人独走を支える「元木劇場」 ノック復活も近し…退院後もパワーアップ中Death!

2020年10月13日 05時15分

顔色もだいぶ元に戻りつつある巨人・元木ヘッド

 手痛い逆転負けだ。巨人は12日の中日戦(ナゴヤドーム)に2―3で敗れ、マジック12のまま足踏み。2連敗は約3週間ぶりだ。こうした時こそ力を発揮するのが元木大介ヘッドコーチ(48)の「異端児パワー」。試合後に繰り広げられる〝元木劇場〟も虫垂炎の手術以前よりボリュームアップ。その背景には同ヘッドならではの理由もあるようで――。

 

 序盤の失点が重くのしかかった。2回に2点を先制したが、その裏に先発・桜井が二死から阿部の同点2ランを被弾。さらに相手先発の福谷に適時二塁打を浴びて勝ち越され、あっさりと試合をひっくり返された。

 打線も再三の好機を生かせなかったが、右腕の失点はいずれも四球絡み。試合後には中継ぎへの配置転換も浮上し、原監督の言葉には「彼自身がじだんだを踏んでいるところだと思いますよ。二死を取らせる野球だったら、かなりランクは上なんだけどね」と再起への期待と皮肉がこもった。

 それでも連敗は9月17~19日以来で、負け越しも6カードぶり。敗戦ショックを引きずらないのも原巨人の強さの一つだ。その象徴的な存在が虫垂炎の手術から2日に復帰した元木ヘッドで、体調は全快とまではいかないが、試合後に報道陣との間で展開される〝元木劇場〟は格段にパワーアップしている。

 最たる例は、14三振を喫して1―6で完敗した5日の阪神戦(甲子園)だろう。入院中に「ハマッちゃって」という大人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)の香川照之が演じた大和田取締役になり切り「です! です! 14個、Death!」とやり、ひと通り試合を振り返ると再び「です! です! 以上Death!」と嵐のように去って行った。

 もちろん、締めるべき時は締める。ただ、創立86年の伝統球団でも惨敗後であっても豪快に笑い飛ばせるヘッドコーチはそういない。しかも加速する〝バラエティー化〟は、単純にドラマが頭にこびりついてしまっただけではないようだ。

 それは、試合前の恒例だった鬼ノックができないこと。入院前はスタメンから外れた若手の北村や松原らを前後左右に走らせまくり、球場全体に響き渡る大声でチーム全体の士気も高めてきた。11日にはついにノックバットを手にしたが、打球はまだ放っていない。しかし、タダでは転ばないのが元木ヘッドだ。体は動かせずとも口は動かせる。復帰直後は弱々しかった声にも張りが戻り始めている。

 首位独走の余裕も少しはあるかもしれないが、元木ヘッドには「やるんだったら明るくやりたい」との確固たる〝身上〟がある。とかく暗くなりがちな敗戦後こそ、底抜けに明るく振る舞うことで負の連鎖を未然に防ぐ。こうした異端児ぶりがドロ沼にハマらない秘訣と言えそう。今度はどんな〝新ネタ〟を用意しているのか…。今後も元木ヘッドから目が離せない。