首位ソフトバンクが2位ロッテとの天王山に勝ち越し 〝和田スイッチ〟でラストスパート

2020年10月12日 06時15分

和田毅

 パ首位のソフトバンクが、11日の2位・ロッテとの天王山第3ラウンドに、投手7人をつぎ込んでの零封リレー。3―0で快勝した。この3連戦は初戦こそ落としたが、そこからの連勝でゲーム差を2に広げた。

 チームの精神的支柱・和田毅投手(39)が大きな存在感を放った。マウンドでは鷹の天敵・美馬との投げ合いを意識して「初回から飛ばしてゼロに抑えればチャンスがある」と頭から全力投球。最速145キロの真っすぐを低めに集め、5回を1安打無失点に抑えた。余力を一切残さない93球。バトンを受けた救援陣も「0」でつなぎ、最後は守護神・森が通算100セーブで締めて、左腕は7勝目を手にした。

「ロッテ相手にずっと負け越していたし、分が悪いことは知っていた」。常に冷静な左腕が珍しく熱かった。昨季は8勝17敗、今季もこの日の勝利を含め6勝11敗1分け。3年ぶりのリーグV奪回はもちろん、ロッテへの雪辱も至上命令だ。

 試合後、和田は「まだ(ロッテと)6試合もある。全部勝てば(年間で)勝ち越すことができる。勝ち越すチャンスはゼロではない」と真顔で言った。言葉には慎重な男。それだけに、チーム内では「メッセージが込められた意義ある言葉だ」と受け止められている。

 フロント幹部は言う。「このタイミングだったのは、和田なりの考えだろう。昨季を含めた成績、今後の優勝争いを意識してのもの。ロッテ相手に一つも落としていい試合はない。よそで取り返すなんて考えはない。それくらいの覚悟で戦うぞ、というメッセージ。言える人間は限られる。自分の立場を理解した上での言葉だろう」。また、チーム関係者は「この言葉を聞いたら、周りは意図を理解できる。もう明日から空気が変わるんじゃないかな」とうなづいた。

 マウンドさばきも振る舞いもクレバーな男は、最後に「これだけ修羅場をくぐってきたチームメートたち。僕らは話し合ったりとかしなくても、そういう雰囲気になっている」とも言った。常勝軍団には強さのワケがある。〝和田スイッチ〟で鷹戦士の目の色が変わる。