巨人・菅野は「超一流演出家」 味方打線にも〝自在〟に火をつける驚がくの投球術

2020年10月07日 05時15分

開幕13連勝と通算100勝をW達成した巨人・菅野

 メンタルまでも無双の域に入ったということか。巨人・菅野智之投手(30)が、6日のDeNA戦(東京ドーム)に先発。7回3失点の粘投で、開幕投手からの13連勝を挙げプロ野球新記録を達成した。投球術、フィジカル面の進化も大きいが「精神的な成長」も見逃せない。投球どころか、メンタル面までも〝熟成した〟ともっぱらな、その中身とは――。


 力強さの中に謙虚さがあった。開幕投手からの13連勝という記録に、菅野は「こればっかしは自分の力だけではどうにもならないこと。今日も点の取られ方で言うと四球からの失点だったのでよくない。改めて野球というのは『助け合いのスポーツ』なんだなと実感してます」と神妙に語った。

 一方、連勝記録の更新については「まだまだ伸ばしていきたいなと思います!」と胸を張り、さらに自身の通算100勝目には「ウチは戸郷が今年頑張っているので、そういうところを目指して頑張ってほしい」と20歳の後輩を気遣う余裕さえ見せた。

 向上心の塊だ。毎年のように、新球や投球術、フォームなど、変化を恐れず貪欲に取り組み、それが進化となり結果に表れている。

 一方であまり表には見えない精神面はどうか。今や投手のみならず、野手までも背中で引っ張る〝エースのかがみ〟のような存在だが「昔はもっとガツガツした感じだったかな」とはチーム関係者だ。

「たとえば、自分が打者として塁に出たら、できれば次の打者は1球目は見逃してほしい、みたいな考え方ですかね。要は、次のマウンドのために少しでも呼吸を整えたい、ということなんですけど…。そこは(自己中心的な性格が多い)一流投手ならでは、の気もしますが」

 ちなみに今は、そういったメンタル面の〝カド〟も取れ、もはや成長どころか熟成の域に達している。その一端をうかがわせたのが、マウンド上での「演出家ぶり」だ。

 ピンチを招いたときや、要注意な打者と対峙したときなど、より集中し力を入れる、いわゆる「ギアを上げた」ピッチングに切り替えるのは一般的だが、菅野はそれだけではない。試合展開に応じて、相手打者全員にフルパワーで投げ込むイニングを作ったり、特定の打者を力でねじ伏せるなど、熱い投球をあえて見せつけ味方打線を奮い立たせる〝演出〟を施すことがあるのだ。

 それについて菅野は、女房役の大城を持ち上げつつも、その真意をこう明かした。

「その(投球の)結果が自分の意に沿わない時もありますけど、そういうものがちょっとでもチームに伝わって、いい方向に行けばいいと思うんで…まあまあ、いろいろ考えながらやってます」

 そんなエースの成長について、原辰徳監督(62)は「体づくり、トレーニング、メカニック等々においてね。非常にこう、探求心というものを常に持っているというところ『守りの意識』というものがないね。そこが彼の、素晴らしい野球人であるというふうに思いますね」と称えた。

 熟成したエースに、もはや死角は見当たらない。