中日が今秋ドラフト1位候補の人選に頭を悩ませている。

 本来は中京大中京の最速150キロ右腕・高橋宏斗投手の指名をもくろんでいたが、当の本人は慶大進学を希望。プロ志望届が提出されない限りは諦めるしかない状況だ。

 地元の超逸材を指名できないとなれば誰にするのか? 中日は5日現在で55本塁打、330得点とも12球団ワースト。長打力&得点力不足は深刻な状況で一発のあるスラッガーが欲しいところ。そうなると近大の佐藤輝明内野手(21)の名前が筆頭に挙がる。

 圧倒的な飛距離を誇る右投げ左打ちのパワーヒッターで「柳田2世」との呼び声も高い。球団関係者は「佐藤は粗削りなところもあるけど、広いナゴヤドームでも30発は打てる天性の長打力がある。飛ばす力で言うなら巨人の松井秀喜みたいになれる能力がある」と高評価している。しかし、佐藤には巨人や阪神、西武などが1位候補としており、複数球団との競合は避けられそうにない。

 一方で最速155キロを誇る早大のエース左腕・早川隆久投手(22)を推す声もある。球団内では「ウチは投手力が安定しているといっても、左腕でエースの大野(雄)がFAで抜けてしまったケースも想定して備えた方がいい。それに早川は木更津総合出身で与田監督の後輩(当時は木更津中央)だから何か縁を感じる。現場が早川が欲しいと要望すれば、早川になるかもしれない」との声もある。

 いずれにしても今ドラフトの目玉選手だけに、簡単には答えを出せそうにない。