西武が4日のロッテ戦(ZOZOマリン)に1―8で敗れ、借金は4。残り30試合で首位・ソフトバンクと10ゲーム差、2位・ロッテとも8ゲーム差となり事実上の終戦が近づいている。

 辻監督は「(2回の)本塁打はしょうがないとしても(3回は)二死からフォアボール2つでしょ? それで3失点。それが一番痛かった。(攻撃は)3試合で(得点は)本塁打だけ。タイムリーが出ないところが、もうひとつチームが乗っていけないところ」と試合を振り返った。

 リーグを連覇してきた自慢の打線は秋山流出の穴を埋め切れず、昨季の756得点(1試合平均5・29得点)から、現在90試合で373得点(同4・14得点=リーグ5位)に低迷。今季もリーグワースト415失点(同4・61失点)の投手力では補いきれない。

 まだ数字上の可能性が残る残り30試合で、主力の復調を待つのか、それとも若手の底上げを図るべきなのか…。

 この3連戦ではベンチに入れた若手控え組の川越と岸は守備だけ、山野辺と柘植は出番がなかった。一部関係者からは「現場がロッテ・安田のような覚悟を持って若手を使わなければ、いつまでたっても序列に変化は起こらない。主力の危機感をあおることも若手のヤル気を刺激することもない」と今のチームの停滞感を指摘されている。

 中村、栗山がキャリアの晩年を迎え、野手の心臓部“森山外源”のFA取得が2022、23年中に集中してくる西武。8月1日に勝率5割を切ってから2か月以上もどっぷり借金生活に漬かってきたチームが、微妙なCS争いと世代交代のはざまで揺れている。