完全復活!巨人・中島をイジり倒して蘇らせた男

2020年10月01日 05時15分

崖っぷちから一転、輝きを取り戻した中島

 完全復活の裏には助っ人からの強烈なイジりがあった。巨人は30日の広島戦(マツダ)を1―4で落としたものの、9月を19勝6敗1分けで駆け抜け、15日に38で点灯させた優勝マジックを一度も消すことなく22まで減らした。その原動力となったのが9月の月間打率3割3分8厘の中島宏之内野手(38)。昨季、どん底を味わったベテランは、いかにして輝きを取り戻したのか――。

 球団53年ぶりとなる月間20勝こそ逃したが、同日に阪神が敗れたため、優勝マジックはまた1つ減った。それでも原監督は「まだまだ戦いは続くし、まだまだ振り返れないね」と言い、慎重な姿勢を崩さない。

 そんなチームを引っ張るのが、打率3割5厘を誇る中島だ。7月中旬から波に乗り、8月は月間打率3割6分2厘と急上昇。今や一塁のレギュラーに定着し、あと23打席で規定打席にも届く。指揮官の評価はすこぶる良く「すごいね。いいところで打っているしね。あそこ(クリーンアップの後ろ)の位置に目を光らせている人間がいるというのは大きいね」と賛辞を惜しまない。

 昨季は43試合で打率1割4分8厘とほとんど活躍できなかった。打撃に悩む日々を過ごし、チームに溶け込むことさえ容易ではなかった。そんな中、今季の活躍の契機となったのが、助っ人の意外な行動だった。

 4連敗で迎えた7月14日の広島戦(マツダ)。〝サメ男〟パーラが円陣の声出し役となり連敗が止まった。すると翌15日に「ナカジマさんが4イニングも出る」と突然、円陣で〝中島イジり〟を開始。同16日は「ナカジマさんが9回出られるように祈っています」、DeNA戦(横浜)となった同17日は「ナカジマさんが試合に出ないのでうれしく思います」と、まさかのディスりでナインの爆笑を誘った。

 連勝中は声出し役が変わらないため、パーラによるイジりは続いた。同19日は「昨日(中島が)フル出場したので拍手」とナインに拍手を要求。「フル出場 パーラ賞」と書かれた手作りメダルを中島の首にかけ、ナインを大いに盛り上げた。

 そんな〝パーラ効果〟でチームは4連敗から7連勝。同時に「2009年のWBCで活躍し(坂本)勇人がずっと憧れてきた中島には若手もどう接したらいいのか正直、戸惑いがあった。でも、パーラがタブーをなくしてイジったことで一気に溶け込んだ」(チーム関係者)と見えない壁を取り払う効果もあったという。

 中島は「積極的に打てるボールを振っていこうと思っている」と日々、目の前の打席に集中している。西武時代からオフにカブレラやボカチカらから母国に招かれるなど助っ人に好かれてきた愛されぶりは、今も変わらない。