第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の指揮官を務め、侍ジャパンを世界一に導いた巨人・原辰徳監督(55)が、注目発言を放った。本紙の直撃を受け、2020年東京五輪の野球日本代表監督就任に名乗りを上げたのだ。ということは6年後の巨人監督は松井秀喜氏(39)に禅譲されているということなのか。そして小久保ジャパンの立場は…。今回の原発言は何かと波紋を広げそうだ。

 原監督は8日に母校の東海大で行われたイベントに、菅野智之投手(24)とともに出席。その際に「東京の2020年五輪で、野球が復活すると思う」と発言。続けて菅野に「その舞台で東海大卒業生として大いに戦ってほしい」と話した。

 だが、原監督が口にした「東京五輪での五輪復活」は、単なる願望やリップサービス、そして漠然とした予感めいたものではなかった。実際、原監督は「2020年、東京五輪(復活)は間違いない。これは非常に高ぶるところでね。僕は間違いなく野球は種目に入ってくると思う。100%信じている。これは野球ファンも100%信じてほしいね。(その思いが)岩をも通すということに対して、僕は寸分の狂いもない」とまで熱く語っている。本気も本気、大マジなのだ。

 ここまで力強く言い切るからには「確証」があるのだろう。巨人球団関係者は「監督のネットワークは本当にすごい。政府筋にもあるようだし、いろいろなところに張り巡らせている」と話しており、水面下で何かしらの確定情報をキャッチしたとみられる。

 それだけではない。原監督は「五輪野球復活」となれば当然出てくるであろう侍ジャパン監督への待望論について、こう明かした。

「それは自分でできるポジションじゃないわけで、選ばれたときに、そこというのは初めて考える」と慎重に前置きしつつも「そのときに僕がどういう立ち位置なのか。グラウンド(巨人監督)なのか、あるいはスタンド(評論家)なのか。ただ、どういう形でも参加したいね!」ときっぱり。6年後はすでに松井氏に監督の座を禅譲している可能性をほのめかせながら、第2回WBC以来となる代表監督就任に、極めて前向きな姿勢を示したのだ。

 日本代表に関しては、日本野球機構(NPB)が「侍ジャパン」を常設し、若い小久保監督を擁立するなど、継続的、長期的に強化を図っている部分もある。ただ、先のことはわからない。「小久保ではなく原に…」となることも十分にある。

 実際、五輪招致関係者はこう語る。国際オリンピック委員会(IOC)会長が種目削減にストイックに取り組んでいたロゲ氏から、柔軟なバッハ氏に代わったことで野球復帰の可能性は高まったと感じているとした上で「2020年までに、五輪代表がNPB管轄の侍ジャパンになるのか、それとも別に設立するかはわからないが、客が呼べて実績のある人物を監督にすることになるのは当たり前のこと。原監督や落合さんなどが候補になるだろうけど、原さんはWBCでも優勝経験があるしね」。そして東京開催の五輪となれば、当然金メダルは至上命令。何としても負けられない状況下で、国際経験豊富な原監督を待望する機運は、当然高まることだろう。

 第2回WBCは連覇という重圧を背負いながら、見事に結果を出した。当時、日本球界のエースだったダルビッシュ(レンジャーズ)を抑えに指名するなど、思い切った起用でも話題を呼んだ。手腕に関しては何の問題もなく、何より本人がやる気満々なのだから大本命となることは間違いない。

 原監督の「意思表示」は、侍ジャパンの今後にも大きな影響を与えることになりそうだ。