「悪川くん」が一変! 巨人・吉川尚つなぐ〝亀井イズム〟で9月驚異の打率3割8分9厘

2020年09月25日 05時15分

原監督(右)の信頼も厚くなってきた巨人・吉川尚

 原巨人は9月の過密日程を16勝4敗1分けの好成績。優勝マジックを28とし、V2に向け着実に歩を進めている。このところの快進撃の原動力となっているのは吉川尚輝内野手(25)で、9月の月間打率は驚異の3割8分9厘。22日の広島戦(東京ドーム)では今季2度目のサヨナラ打を放った。若武者の覚醒を呼んだのは〝亀井イズム〟の継承が大きいという。


 19日のDeNA戦(横浜)から吉川尚は5戦連続で「1番・二塁」で出場。4勝1敗のチームの成績に貢献したが、9月は「8番」が9試合で「7番」が5試合と、主に下位打線で調子を上げてきた。

 俊足内野手の理想の打順は「1番」ながら、原監督から「悪川くん」とイジられるなど8月の月間打率は1割9分6厘と低空飛行。転機となったのは坂本が19戦連続「1番」に固定された、8月25日のヤクルト戦以降だった。吉川尚は「8番」で11戦に出場し、ヒットを量産。8月23日に2割3分4厘だった打率は1か月で2割8分8厘に急上昇した。

 もちろん相手のマークが甘くなる下位打線でただ気楽に打っていたわけではない。「1番・坂本につなげる意識か?」との問いには「そうですね。上位にいい形で回せればと思って」とつなぐことに意識を集中。「何も考えず思い切って」迷いを消したという。

 そんなプロ4年目の元ドラ1の現状に、周囲は〝亀井イズム〟の継承だともっぱらだ。亀井は昨季、1番として独自のスタイルを築き上げた経緯をこう語っていた。

「個人の成績も大事ですが、やっぱり勝つことが大前提で、それしか考えてなかった。勝つために何をすればいいのかっていうところで、やっぱり(坂本)勇人、丸、(岡本)和真っていうのは(相手の)脅威なんですよ。あの3人につなぐためには、っていうことを考えていたんで。とにかくランナーで出ること。そんなことばっかり考えてましたね」

 中軸につなぐ意識に集中した結果、昨季の亀井は打率2割8分4厘、13本塁打、55打点の大活躍で5年ぶりのリーグVに貢献。特に27二塁打はキャリアハイの数字となった。

 チーム最年長野手の背中を見続けてきた吉川尚にもその姿勢は自然と浸透。亀井の定位置だった「1番」に座っても、5戦19打数7安打と成績が落ちることはなく「3番・坂本」「4番・岡本」「5番・丸」につなげている。

 指揮官も「このところ非常に打率も上がってきているし、勝負強さも出てきていますし、存在感というものがやっぱり出てきて素晴らしいですね」と成長著しい背番号29を絶賛している。

 このペースで吉川尚は「悪川くん」を封印したまま、優勝まで突っ走ることができるか。