巨人・原辰徳監督と阿部慎之助ヘッドコーチ代行の〝最強タッグ〟が勝利を演出した。

 巨人は、23日の広島戦(東京ドーム)に7―3で勝利し、スイープに成功。8月21~23日に3タテを食らったリベンジを果たすと同時に、優勝へのマジックを「28」とした。

 打っては主将・坂本が1本塁打を含む3安打1打点の活躍で2000安打まで「39」と迫れば、今季初めて「左翼・8番」でスタメン出場した若林晃弘内野手が3安打2打点。8回にはダメ押しの今季初アーチを放つなど輝きを放った。投げては先発左腕・田口麗斗投手が完投こそ逃したものの、9回一死まで粘りの投球を披露し5勝目(3敗)を挙げた。

 試合後、3タテの借りを3連勝で返した件を問われた原監督は「そうなんだ、忘れてた。アッハッハ!」と高笑い。さっそく若林の活躍について聞かれると、こんな裏話を披露した。

「今日は(阿部)ヘッド代行が、若林をぜひ、今日のゲームで使ってくれと。そうか、よし。じゃあ、行こうということで始まったんですけれども。私の中には、その(若林の)スターティングメンバーというのはかすかにあった程度でね。でも、よし分かったと。非常にそれが当たりましたね」と、阿部ヘッド代行の〝熱烈プレゼン〟によるスタメン起用だったことを明かした。

 一方の田口にも阿部ヘッド代行が絡んでいた。原監督は田口の好投について「異議なし!」。さらに「緩急もうまく使ってましたが?」の問いにも「異議なし!」と答えるなど〝説明不要のナイスピッチング〟とばかりのコメントだったが、試合終了直後のお立ち台で田口本人がこんな舞台裏を明かしていた。

「4、5回くらいのところで、阿部さんに〝鼓舞〟していただいて…」鼓舞されたその内容こそ「内緒です」としたが、阿部ヘッド代行のゲキが田口の粘りの投球を引き出していた。

 原監督と阿部ヘッド代行――。馬場―鶴田、猪木―藤波をほうふつとさせるGの〝最強師弟コンビ〟のベンチワークが、ナインのポテンシャルを引き出した勝利だった。