12球団制覇弾!広島・長野が脳裏に描き続けた巨人・菅野の〝外スラ〟

2020年09月23日 11時00分

菅野から放った長野の一発は記念すべき12球団目、球団8500号となった

 広島・長野久義外野手(35)が22日の巨人戦(東京ドーム)でメモリアルアーチを放った。

 移籍後2年越しの初対戦となった菅野智之投手(30)から、2点ビハインドの4回に迎えた二死一、三塁の場面で左翼席へ一時逆転となる3ラン。古巣からの強烈な一発でプロ野球史上39人目となる12球団アーチを達成した。さらに球団通算8500号という二重の意味で記念すべき本塁打となった。

 長野は球団を通じ「打ったのはスライダー。(鈴木)誠也と松山がチャンスを作ってくれたので返すことができてよかったです」とコメント。ストーリーが絡み合った千両役者同士の初対戦で飛び出した劇弾に両軍ファンが大いに沸いた。

 他球団の個人を語りたがらない長野だが、巨人を出てからは「智之と対戦したい」と、ことあるごとに公私に縁が深かったエースを指名し続けてきた。ただ昨季は願いながらもチャンスに恵まれなかった。オフのある日。「来シーズンは機会があるんじゃない?」という適当な振りに「あるといいですね」と真顔で答えた長野に、「じゃあ、実際に当たったら何を待つ?」と聞いてみた。

「それは言えないに決まってるでしょ」と始めははぐらかしたが、しばらく間を置いてから「でも、智之っていえば、やっぱり〝外スラ〟でしょ。僕がクルクルしているイメージもあるでしょうしね」と言ってニヤリと笑った。

 おそらくは広島に移籍してからというもの、ベッドの中で、新幹線やバスの車中で、菅野が投じる強烈な外角スライダーの軌道を数え切れないほどイメージしたはずだ。いつもより大きく動いた左足。これでもかと踏み込んで、バットを振り抜いた。きっと夢に描いた通りのアーチだったのではないか。

 二塁を回る瞬間、盟友・坂本の「さすがっすね」という目線に応えた一瞬のアイコンタクトが誇らしげに見えた。チーム思いの長野とすれば、勝利につながる一打とならなかったのは残念だろうが、対決の見応えは十分。次回の名勝負に期待が膨らむ一日だった。