巨人・大城が小林を超えるには… 菅野に求められる〝工藤式〟捕手指導法

2020年09月23日 05時15分

サヨナラ勝ちし労をねぎらいあう菅野(左)と大城

 巨人の正捕手となった大城卓三捕手(27)の小林超えの条件とは――。22日の広島戦(東京ドーム)でエース菅野智之投手(30)は大城との「TOKAIバッテリー」で8回3失点で勝利投手の権利を持って降板。9回に守護神デラロサが同点とされ開幕12連勝は持ち越しとなったが、いまだ負け知らずだ。その大城が小林超えを果たすカギは菅野が握っているという。 

 9回裏二死三塁からの吉川尚のサヨナラ打でエースはベンチを飛び出した。自身の勝ち星は消えてもチームの勝利を心から喜んだ背番号18は「調子自体は良かったです」と8回125球6安打3失点の投球を振り返った。原監督も「3ラン打たれましたけど、その後もね、非常に強いボールも放って、集中力を切らさずにね」と3連勝での今季50勝目、M30に繋げたバッテリーにうなずいた。

 開幕12連勝は持ち越しも大城とのコンビで黒星知らず。そんななかチーム内からは「菅野には大城のサインどおりに投げてほしい」と異例の〝お願い〟が飛び出した。

 古参のチーム関係者は「捕手の成長のためには、ベテランがあえてサイン通りに投げることも必要。工藤(公康・現ソフトバンク監督)さんは捕手のサインが『違うな』と思っても首を振らないで、実際に打たれてからベンチで指導した。城島(健司・現ソフトバンク会長付特別アドバイザー)も阿部(慎之助・現巨人二軍監督)も同じやり方で育てた」とレジェンド左腕の指導法を勧める。

 もちろん試合に負けては元も子もない。「投手として余裕がなければ無理だけど、工藤さんは指導をしながら勝ち試合を作っていた。今の菅野なら同じことができる。それぐらい高いレベルで大城を育ててほしい」と熱望する。

 そんな声が出るのも打率3割6厘、8本塁打、30打点の巨人悲願の「打てる捕手」大城にリード面でも小林を超えてほしいから。18日、左腕骨折から3か月ぶりに一軍復帰した小林はこの日、ベンチ前で菅野の投球練習相手を務めた。同級生同士の「スガコバコンビ」はプライベートでも仲良し。バッテリーとしても数多くの修羅場をくぐり抜け、サインに首を振ることはほとんどない。

 対照的にこの日、菅野は3回の堂林、大盛、田中広の打席でそれぞれ1度ずつ、計3度、サインに首を振った。もちろん打者に配球を読ませないためのフェイクの可能性はあるものの、小林との熟年コンビとはまだまだ開きがある。

 それでも4回、元同僚・長野に浴びた3ランは大城のサインにうなずいて投じたスライダーだった。試合後、菅野は「失点した回は甘くなってしまったことと、配球の面でも反省するべきところがあったのでしっかりと修正したい」と前を向いた。12連勝はお預けも、大城の小林超えに向けたきっかけになったのかもしれない。