中日が天敵の去就に神経をとがらせている。22日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)は大野雄大投手(31)が被安打2、11奪三振の圧巻投球を見せ、3―0の完封勝利で6勝目。チームを4連勝に導いた。

 大野雄は今季3度目の完封劇に「前回(15日の広島戦)は4回で降板してしまった。僕の仕事は長いイニングを投げること。監督も昨日の勝利監督インタビューで『(明日は大野雄が)完投してくれるでしょう』とおっしゃっていたのを見てたので(完投)したいなと思っていた」とニッコリ。これで2015年の6完投を上回るシーズン7完投のキャリアハイを達成した。

 まさにエースの名にふさわしい活躍を続けている大野雄だが、それだけに心配されているのが今オフのFAでの他球団流出だ。これまで本紙は中日が阪神の動きにナーバスになっていることを伝えてきたが、ここにきてもう1球団、オフの動向に神経をとがらせているチームが出てきている。球団事情に詳しい関係者やOBの間では「もし菅野がメジャーに行けば阪神だけでなく巨人も大野を狙ってくるだろう」と警戒する声が出始めているのだ。

 菅野は2017年12月に「絶対的な力をつけて文句なく行けるようにしたい」と将来のメジャー挑戦を表明しており、本人からの申し出があれば巨人サイドも今オフのメジャー挑戦を容認する方針を固めたと言われている。22日の広島戦は守護神・デラロサが打たれて開幕12連勝こそならなかったものの今季、無双投球を続ける菅野がいなくなれば巨人が先発投手の補強に動くのは火を見るより明らか。OBの1人は「阪神と巨人が出てきてマネーゲームになれば(中日は)太刀打ちできない。(大野雄は)絶対に残らないよ」と早くも悲観的な予想をしている。

 今季、菅野には0勝3敗、25イニング無得点と完璧に抑えられている中日。天敵・菅野のメジャー移籍は渡りに船かと思いきや、代わりにYGマークをつけた大野雄と対戦することになればそれこそシャレにならない。