ホームが遠かった。ソフトバンクが22日のオリックス戦(ペイペイ)に0―1で零封負け。好投の千賀滉大投手(27)を援護できずに3連敗を喫した。

 エースの投球を見せた。千賀は2回に現在リーグ首位打者の吉田正に右翼ホームランテラスへの一撃を浴びたものの、その1本を除けばほぼ完璧ともいえる投球。8回を投げ、5安打無四球1失点に抑え、9三振を奪う快投だった。圧巻は最後のイニングの8回。3者連続三振で味方の反撃を待った。

 しかし、打線が山本に7回3安打に抑えられた。今季は過去4度の対戦で山本に2勝1敗。チームも3勝1敗と勝ち越していた。それでも山本が9月になって本調子に近づいてきているとあって、戦前の工藤監督も「かなり自分のボールにまた自信を持って投げているのかなと感じている」と警戒感を強めていた。そんな心配が的中。スコアボードに0を並べられた。

 2―3で敗れた20日の楽天戦の試合後のこと。工藤監督は珍しく打線に注文をつけた。「今の現状だけを考えれば、打つほうがもう少し頑張らないといけない。投手が3点以上を取られた試合は最近少ない。打線の援護で投手も勇気を持って投げられる」

 少ない失点で抑えなければいけないとなると、投手陣も窮屈な投球になりかねない。それだけに打線の復調に期待したのだが…。3連敗中の総得点は3点と湿ったまま。

 不運なシーンもあった。8回には2番手・ヒギンスから一死三塁の同点の好機をつくる。しかし、代打・川島の捉えた当たりが一直となり三走・牧原が帰塁できず併殺でチャンスがついえてしまった。工藤監督は「慶三(川島)はうまくミートしたんですけど。ハードラックでした。あそこは絶対に1点ほしかったので、ギャンブル(スタート)というサインを出した。正面を突いたのは仕方がないし、あそこでギャンブルを僕が出したので僕の責任です。ちょっと正面を外れれば牧原君の足ならセーフになれる。あそこは勝負だと思って出させてもらいました」。最大のチャンスを逃した打線は、9回もディクソンに三者凡退と、最後まで流れをつかめなかった。

 2位・ロッテも敗れたため1・5ゲーム差で変わらないものの、エースを援護できず痛いお付き合い。打線の奮起が待たれる。